森崎和幸(サンフレッチェ広島) 難病を乗り越えて手にした栄冠(前編) 見事J1リーグ初優勝を成し遂げたサンフレッチェ広島。その立役者のひとり、森崎和幸は長年“病”に悩まされてきた。それが原因で、何度となくサッカーを辞めようと思った。しかし彼は、その苦難を乗り越えて、ついに栄光を手にした。そんな森崎和幸の、壮絶な“サッカー人生”を綴る――。 クラブ史上初となるJ1優勝が決まった瞬間、サンフレッチェ広島の森崎和幸は握りしめた拳を高らかに掲げていた。 「最初は信じられませんでした。本当に(優勝が)決まったのかって、疑っているもうひとりの自分がいた。でも、次第に感情が込み上げてきて、なんとも言えない喜びに変わりました」 自然と涙があふれてくる。双子の弟・森崎浩司をはじめ、次々に歓喜するチームメイトと抱き合う中で、これまでのキャリアがフラッシュバックしていった。 「泣きましたね。優勝した