スペインはあえてマークされている左サイドのアルバ(赤)から攻撃を仕掛けることで、フランスの裏をかいた【Getty Images】 バランスが取れた状態は、新たなアクションを起こしづらい状態でもある。 ユーロ(欧州選手権)2012もいよいよ準決勝に突入する。ここまでの同大会の感想だが、ロジカルな戦術の駆け引きに彩られた結果、試合展開が重くなることが多いという印象を抱いている。これは一発勝負の短期大会ならではの特徴とも言えるだろう。 例えば準々決勝、スペインvs.フランス(2−0)だ。フランスはこの試合、本来は右サイドバックのマチュー・ドゥビシーを右サイドMFに上げ、空いた右サイドバックにはアンソニー・レベイエールを起用するスペイン対策を施した。特徴的なのは、両サイドにおける守備の違いである。スペインの左サイドバック、ジョルディ・アルバの攻撃参加に対しては必ずドゥビシーが下がってマンマーク