ロイター写真部 Kim Kyung-Hoon 巨大地震と大津波が福島第1原発を襲った東日本大震災の発生から1日たった2011年3月12日の深夜、私は原発近くの町から避難してきた住民を探していた。 メルトダウンや放射能漏れなどの危険が叫ばれる中、ヘリコプターで到着した福島空港から、同僚とともに車で西へと向かった。目的は2つ。原発から可能な限り離れることと、避難住民を見つけることだった。 しかし、避難住民の居場所に関する明確な情報はなく、われわれの安全を守るには、原発からどれくらい離れればいいかも分からず、現場では混乱した状態が続いていた。郡山市で数時間ほど情報を求めて尋ね回り、住民たちが避難所に入る前に放射線検査を受けていることが分かった。 市内のスポーツ施設に設置された検査場に到着したわれわれの目に映ったのは、SF映画のワンシーンのような光景だった。そこでは、全身を防護服に身を包んだ検査