新しい年を迎えた。東京電力福島第1原発事故で避難生活を送る住民の苦悩はなお続く。ただ、ここにきて「福島の未来」を語る動きが芽生えている。非現実的と捉えられる提案かもしれない。それでも、底流にあるのは「福島のことは忘れない」という思いだ。■■■ 福島県南相馬市は福島第1原発事故により、市内の一部が避難指示解除準備区域などに指定されている。住宅地にある旅館の一室。大型スクリーンにビーチリゾートのイメージ画像が映し出された。 それを、社会学者や建築家、ジャーナリスト、そして同市や近隣自治体の住民が見つめた。25年後を目標としたプロジェクト「福島第1原発観光地化計画」の参加者たちだ。 「観光客が集まるスーパークールなリゾートが南相馬に出現」。そんなキャッチコピーが映し出されたスクリーンの脇では、IT企業「ユビキタスエンターテインメント」社長、清水亮さん(36)が自らの構想を説明していた。 最先端の