甲高いエンジン音を響かせてフォーミュラカーが疾走する。それを見守る18000人あまりの観客はその迫力と非日常的な光景に目を輝かせた。6月30日に行われたJ1第16節、川崎フロンターレvs.ヴィッセル神戸の試合直前。等々力陸上競技場のトラックでの出来事だった。 日本サッカー界の頂点に位置するJ1リーグ所属の川崎フロンターレと、日本のレース界最高峰のフォーミュラ・ニッポンとのありえないコラボレーションを実現させたのは、川崎が誇るプロモーション部の2人。1人はJリーグ界屈指のアイディアマンとして知られる天野春果氏と、その片腕として数々のイベントを取り仕切ってきた恋塚唯氏である。 「きっかけは、天野とサーキットを運営する会社の担当者さんとの話でした。その後、私がこの案件を任されることになり、1月の中旬から打ち合わせを始めました。2月10日には実際に担当の方とお会いして、そこからフォーミュラ・ニ