2016年秋、将棋の三浦弘行九段にかけられた「将棋ソフト不正使用」疑惑は、大きな波紋を巻き起こしました。無実を主張する三浦九段が発表した声明文には、自らのスマートフォンについて専門の調査機関に依頼し、指し手を示す将棋ソフトやパソコンの遠隔操作を行うソフトがインストールされていなかったことを示す資料が添付されていました。 この調査を行ったのが、アスエイト・アドバイザリー株式会社代表の田中大祐さんです。技術を駆使してパソコンやスマートフォンなどから証拠を集める「デジタル・フォレンジック」の専門家で、日本では初の「田中公認不正検査士事務所」を開設した田中さんに、デジタル・フォレンジックという仕事の実際と、やりがいについてお話を聞きました。 アスエイト・アドバイザリー株式会社代表 田中大祐さん さまざまな不正・不祥事の証拠をデータから取り出す仕事 ── 田中さんはデジタル・フォレンジックの専門家で