新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、「リスク」という言葉をよく見かけます。何気なく使われる場合が多いですが、実は「リスク」という考え方は、感染症などの不確実な問題を適切に解釈し、合理的に対応するためにとても有用な概念なのです。ここでは、リスク用語集の草稿を公開します。 (寄せられたコメントに対応して、適宜、加筆・修正を行っています。いずれリスク学会のウェブサイトに移行します。) 1.リスク リスクの大きさは一般的に、ある特定の期間の間に、悪い出来事が、どれだけ発生しやすいかと、発生した場合にどれだけ結果が重大か、という2つの要素によって決まります。つまり、発生しやすくても結果がたいしたことなければリスクは小さいですし、発生確率が小さくても発生した場合の結果が重大ならリスクが大きいこともあります。 どれだけ発生しやすいか × 発生した場合にどれだけ結果が重大か ただし、これらの見積もり