菅義偉官房長官は12日の記者会見で、ウクライナ南部クリミア半島を訪問した鳩山由紀夫元首相がロシア編入の可否を問う住民投票を「民主的」と評価したことに対し、「どういう根拠か分からないが、コメントする気にもならない」と強い不快感を示した。ロシアによるクリミア併合を認めない立場の日本政府にとって、併合を是認するかのような首相経験者の言動は国際社会から誤解を招きかねず、対応に苦慮している。 菅氏は記者会見で、鳩山氏の言動を「法の支配で国際秩序が守られている中、(ロシアによる)侵略に加担するようなことだ」と厳しく非難。鳩山氏が所属していた民主党も「一切関知するものではない」(枝野幸男幹事長)と突き放していることまで紹介した。 政府は、鳩山氏にクリミア渡航を断念するよう求めてきた。「元首相」の肩書を持つ鳩山氏がロシア側の都合のいいように利用される懸念が強かったためだ。クリミア併合をめぐり対露制裁で足並