◇「著作物」かどうか、分かれる見解 囲碁や将棋の対局経過を記す棋譜。ファンはそれを基に、盤上の死闘を再現し、鑑賞することができる。かつて、棋譜は新聞や専門雑誌でしか見ることができなかったが、ネット時代となった昨今、一度世に出るやほぼ同時に、インターネット上に棋譜データがアップロードされ、誰もが見られるようになった。こうした状態になって初めて浮上してきたのが、棋譜の著作権問題だ。【金沢盛栄】 「困ったものですね。どう対処したものやら」。囲碁の総本山である日本棋院(東京都千代田区)の一室。幹部の一人は、1枚のCD-ROMを手に、嘆いた。このCD-ROMは、江戸時代から現在までに至る棋譜を約6万局集録。世の中に存在する公式戦の全棋譜といってもいい膨大な量で、初手から対局を再現することができる。日本棋院のまったく知らない間に制作され、ネット上で販売されていたという。 囲碁の日本棋院、関西棋院、将棋