これは初めてのケースだ 「ついに、ここまで来たか」と思った。何の話かと言えば、先日の日米首脳会談だ。会談では北朝鮮情勢をはじめ多くの問題が議論されたが、私がもっとも感慨深く受け止めたのは、日本が「米国とイランの仲介者」になった点である。 最初に書いておこう。残念ながら、これまで日本は国際社会で仲介者のような立場に立つのは、極めてまれだった。外交力が乏しかったからだ。それが、安倍晋三政権の下でようやく実現した。実に喜ばしい。いったい、日米首脳会談で何が起きたのか。 米国は2018年5月、イラン核合意から離脱した。トランプ政権はことし4月、日本など8カ国・地域に対するイラン産原油禁輸の適用除外措置を撤廃する方針を決め、制裁を強化した。その後、米国は中東に空母打撃群を派遣し、軍事的にも米国とイランの緊張が高まっている。 一方、日本はイランと歴史的に友好関係を維持してきた。原油輸入の8割を中東に依