まもなく国会を通って、本当に法律になってしまうのだろうか。国の重要機密を外に漏らせば厳罰に処せられるという特定秘密保護法案のことだ。僕の本音を言えば、理屈のうえで納得がいかないだけではない。心情としても嫌な感じがする。 理屈のうえでの異議は、このあいだ言論サイトWEBRONZAに書いてみた(2013年10月8日付)。題して「秘密保護法案、『情報』をモノとみる愚」。法案の第1条には「我が国及び国民の安全の確保に係る情報」について「高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される」とあるのだが、どうも「高度情報通信ネットワーク」の怖さがわかっていないのではないか、ということを書いた。 いまや情報は紙の文書のようなモノではない。いったんそれがネットワークに入り込めば、一気に世界中に広まっていく。いくら漏れ口を厳罰で締めようとしても、あるときはうっかりの誤操作で、あるときは志