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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (97)

  • 2400年前の沈没船を発見、驚きの保存状態 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    無人潜水機(ROV)で撮影した2400年前の古代ギリシャ商船。黒海の水深約2000メートル地点に横たわっている。(PHOTOGRAPH BY AFP PHOTO/BLACK SEA MAP EEF EXPEDITIONS) ヨーロッパとアジアの境界に位置する黒海で、きわめて保存状態の良い古代の沈没船が発見された。見つかった場所は、ブルガリア沖の水深2000メートルの海底。2400年前のものと推定されているが、驚くことに、漕ぎ手が座るためのベンチやマストといった船の装備まで残されている。 今回の発見は「黒海海洋考古学プロジェクトMAP)」によるもので、英紙「The Guardian」が第一報を伝えた。MAPは3年にわたって黒海を調査し、60隻以上の古い沈没船を発見している。(参考記事:「沈没船41隻を発見、驚異の保存状態、黒海」)

    2400年前の沈没船を発見、驚きの保存状態 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
  • 9割の食塩からマイクロプラスチックを検出

    インドネシアのマドゥラ島では、伝統的な天日製塩で塩が作られている。新たな研究によって、この地域で生産される塩はマイクロプラスチックの含有量が特に高いことがわかった。(PHOTOGRAPH by Ulet Ifansasti, Getty Images) 数年前、海塩からマイクロプラスチックが初めて見つかった。しかし、調味料として身近な塩に、プラスチック微粒子がどのくらい含まれているかについては、分かっていなかった。新たな研究で、世界の塩の9割にマイクロプラスチックが含まれているというショッキングな結果が報告された。(参考記事:「研究室 忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実」) この研究は、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームが、塩に関する既存研究を活用してまとめたものだ。塩に含まれるマイクロプラスチックが地理的にどう広がっているか、プラスチック汚染

    9割の食塩からマイクロプラスチックを検出
  • 恐ろしい大噴火、高熱で脳が沸騰、頭骨が爆発 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    1800年代半ばの絵画「ポンペイ最後の日」は、西暦79年のベスビオ火山噴火の様子を描いたもの。(Painting Karl Brullov, The Artchives, Alamy Stock Photo) 西暦79年に起きたベスビオ火山の大噴火により、周辺の古代ローマ帝国の都市とその住人は一夜にして消滅した。大量の火山灰がポンペイの町に降り注ぎ、建物はその重みで崩落した。その後激しい火砕流が山肌を駆け降りて町を焼き尽くし、さらに近くの港町ヘルクラネウムや近隣の町をも襲った。 2000年近く前の噴火がもたらした甚大な被害に疑問を呈する専門家はいないが、多くの犠牲者がどのようにして死んでいったかについては、意外にもまだ多くの論争がある。(参考記事:「古代都市ポンペイは、現代社会にそっくりだった」) イタリアの専門家チームは、ヘルクラネウムでもとりわけ残酷な死を迎えた人々の遺骨を再調査し、そ

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  • 恐竜時代の琥珀からカタツムリが体ごと見つかる

    この9900万年前の琥珀の中で発見されたカタツムリは、軟部が残るものとしては最古のものになった。(Photograph by Lida Xing, China University of Geosciences, Beijing) 琥珀の中で化石化した9900万年前の小さな陸生巻貝――いわゆるカタツムリの頭部と足、目(体からつきでた部位「眼柄」という)が発見された。この標は直径5ミリほどの大きさしかないものの、恐竜時代に生きた陸生巻貝の姿をはっきり確認できる。(参考記事:「9900万年前のカエル化石発見、熱帯雨林産で最古」) カタツムリはミャンマー北部で採取された小さな琥珀(天然樹脂の化石)の塊に含まれていた。2016年に個人の化石収集家から購入したものだ。あまり保存状態はよくないが、もう1匹のカタツムリの殻も含まれていた。この琥珀は、現在、中国広東省潮州の德煦古生物研究所に所蔵されてい

    恐竜時代の琥珀からカタツムリが体ごと見つかる
  • コロンブスの地図に隠されていた秘密、明らかに | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    500年前の地図に隠れていた文字が解明され、地図製作者の情報源や、後年製作された重要な地図への影響が明らかになった。(IMAGES BY LAZARUS PROJECT / MEGAVISION / RIT / EMEL、 COURTESY OF THE BEINECKE LIBRARY、 YALE UNIVERSITY) 1491年に製作されたこの写真の地図は、クリストファー・コロンブスが初の大西洋横断に挑んだ当時に認識されていた世界の姿を表した地図として、最も良い状態で残っているものだ。コロンブスは航海の計画を立てる際、実際にこの地図の写しを使っていた可能性が高い。(参考記事:「コロンブスに勝てなかった“新大陸発見者”とは?」) この地図を描いたのは、ドイツの地図製作者ヘンリックス・マルテルス。地図には当初、土地にゆかりの伝説や解説文が大量にラテン語で記されていたが、その大半は時と共に

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  • 恐竜時代のサメ、空飛ぶ翼竜を食べていた | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    古代のサメ、スクアリコラックスの餌になるプテラノドンの想像図。(ILLUSTRATION BY MARK WITTON) サメの歯の痕がついた翼竜の骨の化石が発見された。8300万年前のもので、かまれた翼竜はプテラノドン。かんだのはスクアリコラックスという古代のサメのようだ。 化石は2014年、米国アラバマ州にある化石サイトで見つかった。ここでは翼竜が恐竜や古代のワニ、大型魚の餌となった証拠がいくつも見つかっている。今回の発見もそのひとつだ。翼竜は骨と皮しかないと想像している人も多いだろうが、実際は違う。この研究結果は、学術誌「PALAIOS」の9月号に発表された。 「実際の翼竜は骨格にしっかり肉が付いていました」と、翼竜に詳しい南カリフォルニア大学のマイケル・ハビブ氏は述べる。「映画やアート作品でよく描かれているような、痩せこけた動物ではありません。特に、飛ぶための筋肉は最高のごちそ

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  • 第9惑星の存在示す?準惑星を太陽系外縁で発見 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    まだ存在が確認されていない第9惑星の想像図。新たに発見された2015 TG387を含む小さな天体の軌道に影響を与えていると想定されている。(ILLUSTRATION BY CARNEGIE INSTITUTION FOR SCIENCE, DTM, ROBERTO MOLAR CANDANOSA/SCOTT SHEPPARD) 太陽系外縁部に、太陽の周りを1回公転するのに4万年かかる氷の準惑星が発見され、2015 TG387と名付けられた。彗星を除き、既知の太陽系の天体としては、太陽から最も遠くまで旅をする。最後に太陽に最も接近した時は、地球ではマンモスやホラアナグマがユーラシア大陸の草原をのし歩き、現生人類は石から道具を作っていた。(参考記事:「7万年前に恒星が最接近、地球に彗星の嵐か」) 2015 TG387(愛称は「ゴブリン」)は球体と見られる。直径はおよそ290キロ。現在は北の空の

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  • 40億年前の地球は生命誕生の「温床」だった

    初期の地球は火山や溶岩に覆われた地獄のような場所だったのか。しかし、誕生からわずか数億年のうちに、地球はその表面に水が存在できる程度にまで冷え、その後間もなく生命が登場したと思われる。(PHOTOGRAPHY BY RYAN ROSSOTTO) 40億年前の地球はどんな姿をしていたのだろうか。そのヒントをくれるのが、ジルコン(ZrSiO4)という非常に頑丈な鉱物だ。 ジルコン結晶は破壊することがほぼ不可能で、古いものは44億年近く前から存在する。小さなタイムカプセルとも言えるこのジルコンの中には、太古の化学的な「指紋」が残されている。「ジルコンは、わたしたちに地球の形成段階を垣間見せてくれる唯一の窓です」と、米ロチェスター大学のダスティン・トレイル氏は言う。 9月24日付け学術誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に発表された論文において、トレイル氏のチームは、40億年前の地球表面が正確

    40億年前の地球は生命誕生の「温床」だった
  • ヒッグス粒子崩壊を確認、物質の質量の起源を解明

    スイスのジュネーブ近郊にある欧州原子核研究機構(CERN)のATLAS検出器。ATLAS実験チームは今回、別の実験チームとともにヒッグス粒子の崩壊を観察した。(PHOTOGRAPH BY BABAK TAFRESHI, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 物理学者たちは数十年前から、「神の素粒子」と呼ばれるヒッグス粒子を探してきた。宇宙を満たし、物質に質量を与えると考えられてきた粒子だ。ヒッグス粒子は2012年にようやく発見され、存在を予言した物理学者がノーベル賞を受賞した。そして今回、物理学者らがヒッグス粒子のボトムクォークへの崩壊を観察し、新たな洞察を得た。(参考記事:「「科学の大発見」はもうない?」) この研究は、ヒッグス粒子の崩壊を予測していた理論素粒子物理学にとっても、数十年がかりで実験装置を建造した欧州原子核研究機構(CERN)にとっても、非常に大きな業

    ヒッグス粒子崩壊を確認、物質の質量の起源を解明
  • 【解説】地球のプレート運動、14.5億年後に終了説

    ハワイのマウイ島にあるプウ・オ・マウイ噴石丘。(PHOTOGRAPH BY DESIGN PICS INC) 地球のプレート運動は、すばらしい芸術作品を生み出している。地球に山と海があり、恐ろしい地震や激しい火山噴火があり、今この瞬間にも新しい陸地が誕生しているのは、プレート運動がずっと続いているからだ。 しかし、永遠に存続するものなどない。 プレートを動かしているのは、その下にあるマントルの熱対流だ。しかし、時間とともにマントルの温度は下がり、やがて、地球全体を覆う“ベルトコンベア”の運動は停止する。そのとき、炭素循環も、長い歳月にわたって生物進化の原動力となってきた地質活動も終息する。 このほど、国際地質科学連合の会長で、中国地質大学の地質学者である成秋明氏が、プレート運動が終わる日が訪れる時期を予想した。成氏の計算によれば、終わりは約14億5000万年後にやってくる。太陽が膨張して赤

    【解説】地球のプレート運動、14.5億年後に終了説
  • 古代の墓から新種の類人猿の骨を発見、すでに絶滅

    中国で発見された新種の絶滅テナガザル「ジュンズィ・インペリアリス(Junzi imperialis)」の頭骨の一部。(PHOTOGRAPH BY SAMUEL TURVEY, ZSL) 中国の古代の高貴な墓で見つかった奇妙な骨が、絶滅した新種の霊長類のものだった。6月22日付け学術誌『サイエンス』に論文が発表された。 この頭骨が見つかったのは、2004年に発掘された「夏太后」の墓。夏太后は、中国を初めて統一した秦の始皇帝の祖母である。中国メディアの報道によると、墓の中には、ヒスイや金、銀、彫刻のある陶器、馬車2台など、豪華な副葬品がおさめられていた。(参考記事:「色鮮やかによみがえる兵馬俑」) 夏太后のペット 墓の中の12個の穴からは、ツキノワグマやヒョウ、ヤマネコ、ツルといった動物の骨が出てきた。注目すべきは、奇妙なテナガザルの骨だ。この小型類人猿の頭骨は非常に変わっていて、研究者たちは

    古代の墓から新種の類人猿の骨を発見、すでに絶滅
  • 【動画】尻尾のないクジラを目撃、増えている?

    尾が切れて失われたクジラの目撃例が増えている。 クジラ生物学者のアリサ・シュルマン=ジャニガー氏が最初に目撃したのは1985年のこと。メキシコ沖でコククジラと出会い、水中から堂々たる尾が現れると思ったそのとき、彼女の目に映ったのは、痛々しい傷跡だった。 「あぜんとしました」と語るシュルマン=ジャニガー氏は、米国鯨類協会でコククジラの個体数・習性調査プロジェクトを推進している。 それ以降、北米西岸沖では尾のないクジラが幾度か目撃されてきた。ところが2018年に入って、尾のないコククジラが少なくとも3頭、カリフォルニア沿岸で目撃されている。頻度が増えているようなのだ。(参考記事:「【フォトギャラリー】伊豆諸島で見つかった希少なコククジラ」) 目撃されたコククジラには、シャチに襲われたり、船と衝突したりといった形跡は見られず、怪我の原因はおそらく漁具が体にからまったこととみられる。

    【動画】尻尾のないクジラを目撃、増えている?
  • “痕跡器官”とされた脾臓の役割解明

    人間の消化器系を示すイメージ図。左上に腎臓に似た形をした紫色の脾臓がある。2009年7月に発表された研究によると、マウスを対象に調査した結果、役立たずと思われていた脾臓は、実際には損傷を受けた心臓の回復に欠かせない役割を果たしていることがわかった。 Illustration by MedicalRF.com/Visuals Unlimited 人体には虫垂や扁桃腺(へんとうせん)、余った血流路など、痕跡器官と呼ばれる臓器が存在している。進化の名残ともいえるこのような器官は、あっても無くても人体にはそれほど影響がないと考えられてきた。しかし、医療研究技術の発達に伴い、痕跡器官にも実際には懸命に働いている臓器があることがわかってきた。 痕跡器官の好例が脾臓(ひぞう)である。最新の研究によると、損傷を受けた心臓の回復に欠かせない役割を果たしていることが判明したという。脾臓は腎臓に似た形で腹部の左

    “痕跡器官”とされた脾臓の役割解明
  • 脳に入る寄生虫が温暖化で北上、ナメクジに注意

    葉の上でシルエットに見えているバナナナメクジ。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) オーストラリア人のサム・バラード氏は19歳のとき、パーティで友人たちにけしかけられてナメクジをべた。数日のうちに、彼は珍しいタイプの髄膜炎にかかり、それから1年以上昏睡状態が続いた。意識が戻った後も首から下の麻痺は治っていない。 医師によると、バラード氏の病気の元凶はナメクジに寄生する広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis)だという。(参考記事:「驚愕!ナメクジの腹に潜んで旅をする線虫」) 広東住血線虫の感染者はバラード氏の他にもいる。なかには氏と同じように、周りにけしかけられた結果として罹患した例もある。これまでに少なくとも3件の感染例で、少年や青年がナメクジやカタツムリをべていたことがわかっ

    脳に入る寄生虫が温暖化で北上、ナメクジに注意
  • 太古の巨大カワウソ、水辺の支配者か、最新研究

    現在の中国南西部にすんでいた大型のカワウソSiamogale melilutra。沼地の水生生物をべていたと考えられる。(ILLUSTRATION BY MAURICIO ANTON) およそ600万年前、現在の中国南西部にある沼地を、体重が50キロもある巨大なカワウソがうろついていた。(参考記事:「動物大図鑑:オオカワウソ」) カワウソの仲間のラッコは石を使ってウニを叩き割るが、この古代生物は、貝殻を直接噛み砕けるほどの強力な顎の持ち主だったかもしれない。(参考記事:「動物大図鑑:ラッコ」) 猛獣並みの大きさと強さを誇るこの動物はサイモゲール・メリルトラ(Siamogale melilutra)。先史時代に生きていたカワウソの祖先だ。中国の雲南省で発掘され、2017年初めに新種として発表された。 その後、この動物の下顎の骨が詳しく調べられた。噛み砕くのに適した強力な顎と歯を持っており、

    太古の巨大カワウソ、水辺の支配者か、最新研究
  • 人為的な地震は150年間で728件発生、最新報告 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    8万人以上の死者・行方不明者を出した2008年の四川大地震(M7.9)、記憶に新しい2015年のネパール大地震(M7.8)も人為的な地震だったという。 地震は予測のできない天災だと考えられているが、最近ではそうとばかりは限らないようだ。 10月4日付けの学術誌「Seismological Research Letters」に発表された研究によると、過去約150年の間に、人間の活動が原因の地震が728カ所で起こったという。人間が地震活動に影響を及ぼす例があることは以前から知られていたものの、マグニチュード7.9という大地震も引き起こしたという発表は、他の研究者らを驚かせている。(参考記事:「【動画】奇怪!「呼吸」する道路を撮影」) 地震の回数は現在、世界の一部地域で明確な増加を見せている。自然に起こる地震と同じく、人為的な地震も命に関わる危険をはらんでいる。そうした地震が人間や環境に及ぼす影

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  • ヌーの大量溺死が川を育んでいた、研究発表

    アフリカの草原を毎年、大移動するヌーの群れ。その大量溺死が、タンザニアとケニアを隔てるマラ川の貴重な栄養源になっていることが判明、学術誌「米国科学アカデミー紀要」に発表された。 大移動の意外な脅威 ヌーは群れをなし、タンザニアとケニアにまたがるサバンナを、巨大な円を描くようにして移動する。その数は100万頭以上、距離は1600キロに達し、行く手にはワニやライオンといった捕者たちが待ち構えている。(参考記事:「動物大図鑑 ヌー」) しかし、陸上を移動するヌーにとって、意外にも大きな脅威となっているのが溺死。大挙してマラ川を渡る際、多くが流れにさらわれて命を落とすのだ。 毎年、100万頭以上のヌーが円を描くように東アフリカの草原を大移動する。その際、数千頭のヌーがマラ川を渡りきれずに命を落とす。(PHOTOGRAPH BY NORBERT WU, MINDEN PICTURES, NATIO

    ヌーの大量溺死が川を育んでいた、研究発表
  • 熱帯のヒカリボヤ、北太平洋で大発生、前代未聞

    前例のない高温が3年続いた米国西海岸沿いの海は、2017年にようやく元の水温に戻った。エビのような太ったオキアミが戻ってきて、再びサケのごちそうとなっている。飢えて痩せこけたアシカなどの海洋哺乳類が、海岸に打ち上げられることもなくなった。物事は正常な状態に戻りつつあるように見えた。(参考記事:「太平洋 大量死をもたらした不吉な暖水塊」) そのとき、彼らは現れた。 始まりは今年の春だ。クラゲのような奇妙な海中生物が無数に発生した。原始的な姿で、光を放ち、なかには長さ60センチを超えるものもいる。これが調査用の網をだめにし、釣り針に掛かり、西海岸の浜に怒濤のごとく押し寄せ始める。

    熱帯のヒカリボヤ、北太平洋で大発生、前代未聞
  • 27年一度も人と接触せず、ある森の「隠者」の真相 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    米メイン州オーガスタのケネベック郡上位裁判所に連行されるクリストファー・ナイト。彼は森の中にひとりで暮らし、所有者が不在の別荘で盗みを繰り返していた。(PHOTOGRAPH BY ANDY MOLLOY, KENNEBEC JOURNAL, AP) 1986年、20歳のクリストファー・ナイトは、米マサチューセッツ州の自宅から車でメイン州へ向かい、そのまま森の中へと姿を消した。彼は深い森の奥にテントを張って暮らし、近隣の別荘から盗んだものをべて生き延びた。30年近く、他人と会話をすることはなかったが、最後は障害者用のサマーキャンプ場に盗みに入ったところを逮捕された。 人は何をきっかけに世捨て人となるのだろうか。ナイトはただ単に、孤独を好む反社会的な人間だったのだろうか。それとも彼の行動のどこかに、我々が学ぶべき教訓があるのだろうか。「ナショナル ジオグラフィック」誌にも寄稿しているジャーナ

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  • 片目だけ巨大な深海イカの謎を解明

    左目は黄色くて大きく、膨らんでいる。しかし、右目は小さく透明。漁師たちは100年以上前から、このヘンな目をしたイカについて不思議に思ってきた。 「不気味なくらい奇妙な目。いったいどうしてこんな目になっているのかと思うでしょう」と、米国ノースカロライナ州にあるデューク大学の生物学者、ケイティ・トーマス氏は語る。トーマス氏は、カリフォルニアシラタマイカ(学名:Histioteuthis heteropsis)というこの動物の研究を率いている。このイカはイチゴにそっくりなので、「イチゴイカ」と呼ばれることもある。 1970年代に、このイカを研究した生物学者リチャード・ヤング氏はある仮説を立てた。大きなほうの目はかすかな太陽光を検知できるので、上を泳ぐ獲物を見つけるのに便利だという説だ。しかし、このイカは水深1000メートルほどの深海に生息しているため、その生態を解明するのは難しい。(参考記事:「

    片目だけ巨大な深海イカの謎を解明