2019年10月に、史上最年少の19歳で囲碁の名人位を獲得した芝野虎丸名人。新星誕生のニュースは、囲碁界の枠を飛び出して大きく駆け巡りました。 人前で言葉を発することがほとんどなかったというシャイな少年・芝野虎丸は、いかにして碁界の頂点まで登り詰めたか。 名人を一番近くで見続けた兄、芝野龍之介二段が、その幼少期から名人戦までの戦いを振り返りながら、その才能と人柄に迫ります。 13譜 上辺を連打されましたが、逆転にはまだ程遠いです。93から左上に味をつけに行きました。固く勝ちにいっています。 虎丸は、以前はプレッシャーに弱いタイプでした。私はこのことに気づいていませんでしたが、父に指摘され、そうなのかと思いました。虎丸がプロになってから、アマチュアや院生との手合い対局のとき、負けていることが多かったです。また、プロ試験のときに私に負けたのもプレッシャーがあったのかもしれません。ずっと一緒にい