東洋紡績は、全身性炎症反応を抑制できる抗血栓性コーティング材料「SEC-1」」を開発したことを発表した。 心臓手術を行う際に使用されるカテーテル/血液回路チューブ/カニューレ/人工肺などの医療機器は、いずれも血液に接触すると異物反応が起こり、血液の凝固や全身性の炎症反応(全身性炎症反応)を起こす。全身性炎症反応は、外傷や細菌感染などによって炎症が全身に及ぶ状態であり、手術後にも微熱や血尿などの症状となって現れる。 同社はこれまで抗血栓性材料(ヘパリン固定化コーティング材料)を開発し製品展開してきたが、ヘパリンは血液凝固を抑制する薬効を有するものの、全身性炎症反応の抑制は十分ではなかった。同材料は従来の抗血栓性に加え、全身性炎症反応を抑制し手術による患者の身体的負担を和らげる(軽減する)効果のあるコーティング材料で、動物由来の生理活性物質であるヘパリンとは異なり、合成系材料を使用しているため