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ブックマーク / shinka3.exblog.jp (62)

  • ヒトは遺伝的多様性が高いので近親交配が危険 | 5号館を出て

    オープンアクセス誌の中で、無駄に厳しい査読をしないということで、ある意味で心配もされていたPlosOneに、またおもしろい論文が載りました。 The Role of Inbreeding in the Extinction of a European Royal Dynasty 日語でのニュース報道もあったので、ご覧になった方もいるかもしれません。 スペイン・ハプスブルク家、断絶の原因は「近親婚」か 研究結果 せっかくですので、論文を中心にご紹介してみます。ただし、私は世界史に(も)弱いので、歴史的記述には誤りがあるかもしれませんので、ご指摘願えると幸いです。話の内容は、日でも結構有名な顎と下唇を持ったハプスブルグ家の家系、特に1700年に途絶えたスペイン・ハプスブルグ家のことです。 これは最後のスペイン国王であるカルロス2世で、Wikipediaによると「先端巨大症のため、咀嚼に影響

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    yamifuu 2015/07/11
  • 札幌も花 理研騒動に対する最後のコメント | 5号館を出て

    にもかかわらず、ちょっと心は沈んでおります。 今朝見た朝日の記事にかなり衝撃を受けてしまいました。例の「理研騒動」で処分を受けることが想定されている側の弁護団の弁明書が報道陣に公表されたという報道です。その中で投稿した論文原稿に対して戻ってきたコメントへの対応について書かれた部分があるのですが、少なくとも科学をするものとしては「常軌を逸した」態度と言わざるを得ないことが書かれていました。 例の論文はNatureに投稿される前に、Scieneなどにも投稿されていたということなのですが、Scienceの判断はリジェクト(つまり、再投稿不可)だったのですが、それに対してこんなことが述べられています。 ・サイエンス誌からのメールでは、論文が却下されただけでなく再投稿が許可されていない。コメント(指摘)を精査することは通常ない。再投稿できないのであれば、意味がないからだ。 我々はたとえリジェクトされ

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    yamifuu 2014/05/28
  • 筆頭著者の記者会見と連名著者の責任 | 5号館を出て

    日、筆頭著者の記者会見がありました。ねつ造などが指摘されているNatureの論文2ともの筆頭著者です。 いつものようにすごい論文や興味深い論文の紹介記事ではないので気が重いのですが、すんなりと世の中に受け入れられていたら歴史的論文となる可能性もあった2編です。 Articleと呼ばれる長い論文の著者は8名、Letterと呼ばれる短い論文の著者は11名で、いずれも筆頭著者は同じです。筆頭著者の次に重要な責任著者とも言われる最後にクレジットされるLast authorはそれぞれ異なります。 この2編ともの論文に疑義が生じていますので、両者の筆頭著者の責任は非常に大きいということは誰でもが思っていることです。この論文が発表された時に国内でのプレスリリースの舞台になったのが理研CDB(発生再生科学総合研究センター)でプレスリリースでは理研の成果として発表されていましたので、その結果生じた責任問

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    yamifuu 2014/04/10
  • 研究の作法を誰が教えるか | 5号館を出て

    今日は北大の一般入試の後期試験のため、朝は7時前に家を出ました。東区(といっても我が家の近辺が特にひどかったようですが)は、15センチ位の積雪があったため自転車はあきらめて歩いていると白く見えたものは降っている雪ではなく、朝になって気温が下がってきたためかだんだんと濃くなっている霧でした。 今日の試験を最後に、次年度の新入生が最終的に決定することになるのですが、今どきの大学新入生に今まであまり書いたことのないレポートというものを課すると、そもそも何を書いて良いのかわからない、書き方がわからないということで、多くの学生はまずはインターネットで探したものを露骨にコピペしてきます。 最初のうちは、コピペがばれると思ってか、文章をどこから持ってきたかという情報を書いてこない学生が多いのですが、インターネットから引用するのは構わないから必ずどこにあった誰の文章から引用したということを示すようにという

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    yamifuu 2014/03/12
  • 漁業が大西洋タラの急速な進化を促した | 5号館を出て

    ScienceDaily Science News Did The North Atlantic Fisheries Collapse Due To Fisheries-induced Evolution? 北大西洋における漁業崩壊は漁業が引き起こした進化によるものか? © PhotoXpress.com 大西洋のタラは何世紀にもわたって主な魚種として漁をされてきましたが、今や北アメリカのタラ漁は壊滅的な打撃を受けているそうです。 論文はこちらです。 PLoS ONE 4(5): e5529. doi:10.1371/journal.pone.0005529 Árnason E, Hernandez UB, Kristinsson K (2009) Intense Habitat-Specific Fisheries-Induced Selection at the Molecular P

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    yamifuu 2014/02/07
  • 大学公式ページでのGoogleMap禁止令と彩雲 | 5号館を出て

    便利なので大学のホーム・ページなどでもアクセス情報にGoogleMapなどを使っているところが増えてきています。 ところが、今日そうしたホーム・ページなどで「領土等が正しく表示されていない地図」を使っている場合には「利用を停止し,PDFに差し替えるなどして正しい地図情報を掲載願います」というお触れが回ってきました。 一瞬なんのことか意味がわからなかったのですが、添付されていた国土地理院の資料「領土等が正しく 領土等が正しく 領土等が正しく 表示 されてい されてい されてい ない地図の例 ない地図の例」を見て、疑問は氷解しました。 南や北でロシア韓国中国と領土問題が生じている地域に関して、日が主張している領土をそのまま表記していない地図は「正しくない地図」として使うことを中止するようにとの勧告のようです。 GoogleMapなどで大学周辺の地図を表示している場合には、表示領域をどんど

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    yamifuu 2013/09/20
  • 爪が残っていればヒトでも指は再生する | 5号館を出て

    今日発表されたNatureのオンライン版に、弘前大学出身で北大の私の研究室で博士号を取得、今はニューヨーク大学でポスドクをしている武尾真君を筆頭著者とする論文が出ています。 Nature Newsにも取り上げられているので、かなり注目度の高い論文です。 How nails regenerate lost fingertips Study of mouse toes reveals pathways that could offer clues for regenerating human limbs. 現象自体は研究者には結構知られていることなのだそうで、実験に使われたマウスと同じようにヒトでも指先を切断するような事故にあったとしても、爪がある程度残っていれば指先は「完全に」再生することが知られていたようです。 なんだ、それなら度々日テレビに登場し、BBCでも大々的に取り上げられたニュ

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    yamifuu 2013/06/14
  • 2011年に取り下げられた論文トップ5 | 5号館を出て

    年度末には、今年の10大ニュースとかヒット曲トップ10とか、今年の重要な出来事を振り返る企画が多くなるのですが、こちらはあまり楽しくない話題かもしれませんが、Scientific American のニュースで「今年、科学の専門誌で取り下げられた重要論文」というタイトルの記事がありましたので、ご紹介します。 まあ、論文の取り下げ自体はそれほど珍しいことではなく、著者たちによってすでに発表された論文に間違いが発見されたなどという理由で有名雑誌でも何百という論文が取り下げられています。 しかし、発表された時にマスコミを賑わせるような事件や大発見として、その内容が社会的に広まり、場合によっては多くの人の行動に影響を与えるようなインパクトを持った論文が取り下げられるということになる場合には、、「間違ってました」では済まない影響が論文の取下げ後も社会的影響を与え続けることがあります。 有名な所では、

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    yamifuu 2011/12/29
  • ハイギョは四足歩行する | 5号館を出て

    我々、陸上生活する四足類がサカナから進化したことについてはほぼ異論なく同意されています。サカナの中でもシーラカンスやハイギョが含まれる肉鰭類というしっかりした足のようなヒレをもっているものが進化したということも確からしいと言われています。確かにシーラカンスの生態動画などを見ていると、ヒレを肢のように使って、海底の岩の上などを歩くように泳いでいる様子は珍しいものではありません。 ティクターリクの発見などから、サカナの段階で肘や手首や指を持った手のひらを持っていたものがあり、それらの子孫が陸に上がって我々の先祖になったというストーリーは今や教科書に書かれるようになっています。 そのティクターリクの化石を掘り出したシュービン達がまたまたおもしろい論文を書きました。 現世のハイギョを観察して、彼らが水の底を「歩行」する時に、陸上のトカゲやイモリが陸上を歩くのと同じ歩行スタイルをしていることを見出し

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    yamifuu 2011/12/13
  • 肉食動物でもベジタリアンを続ければ植物を分解できるようになる【追記】日本人の海苔分解腸内細菌 | 5号館を出て

    昨日発行になったPNASにパンダの腸内細菌がセルロースを分解しているという論文が載っていました(www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.1017956108)。 ササ(タケ?)しかべないであんな大きな体を維持しているのですから、おそらくセルロースを分解する能力はあるのだろうと推測されていたのですが、直接証明されたのは初めてのようです。 そもそも、2009年にパンダの全ゲノムが解読された時から、彼らはセルロースを分解できる酵素の遺伝子は持っていないことが明らかになっていました。もちろん、ササと言ってもセルロースだけでできているわけではなく、中に含まれる細胞には、ごく少量のデンプンや脂肪やタンパク質が含まれていないわけではありません。遺伝子の解析からパンダは他のクマと同じように肉をべて分解することができる酵素を持っていることもわかり、彼らはもともとは肉もしてい

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    yamifuu 2011/10/19
  • 分子データでもつながったクマムシ,カギムシ,節足動物 | 5号館を出て

    この2種類の動物は,昔からエビ・カニやクモ・ゲジゲジ・昆虫などを含む節足動物に近いと考えられてきており,我々も大学の系統分類学ではそのように習った記憶があります。 ところが分子生物学的データを使った研究によると,カギムシと節足動物が近いというデータはたくさん提出されているのですが,クマムシはむしろ線虫に近いというデータが多く,論議を読んでいたのだそうです(私は,ちっとも知りませんでした)。 日時間で日出たオンラインのPNASには,その「矛盾」が解消されたという論文が出ていました。 Published online before print September 6, 2011, doi: 10.1073/pnas.1105499108 PNAS September 6, 2011 こちらが系統樹の全体像です。 ちょっと見難いかもしれませんが,真ん中あたりに描かれている絵をみるとだいたいわ

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    yamifuu 2011/09/07
  • 小さなミジンコの小さなゲノムにたくさんの遺伝子 | 5号館を出て

    これが世界中にいるミジンコ(Daphnia pulex)です。当研究室のN木さんが、ポプラ並木の横の池から取ってきて、今でも継代飼育されているものです。 先週のサイエンス誌に発表されたこのミジンコのゲノム解読論文では、わずか200メガ塩基対しかないゲノムサイズの中になんと31000ほどもの遺伝子があるという驚きの発表がありました。ヒトのゲノムサイズは3ギガ(3000メガ)塩基対(合ってるかな?)もあるにもかかわらず、その遺伝子は23000くらいと見積もられていますので、ジャンクDNAだらけと言われるヒトのゲノムに比べると、ミジンコのゲノムは「遺伝子だらけ」ということになります。 これがサイエンスに載った論文の冒頭ですが、実際にミジンコの遺伝子解析には、ここに挙がっている著者だけではなくおよそ450名の科学者が協力したということです。 この論文の中に載っている遺伝子の数を比べた棒グラフです。

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    yamifuu 2011/02/08
  • 2億3千万年前に退化したカエルの下顎歯が2千万年前に再進化 | 5号館を出て

    コロンビアやエクアドルに住むフクロアマガエル(Gastrotheca guentheri)というカエルがいます。 (public domain: Wikipedia) このカエルは、メスが背中のフクロの中で卵を育てるということでも有名ですが、Wikipediaにも書いているように、当の歯(true teeth)を持った唯一のカエルなのだそうです。 上顎には細かい「歯」がたくさん生えていますが、下顎には歯がまったくありません。 写真を見つけることができなかったのですが、このフクロアマガエルには上顎だけではなく、下顎にもちゃんとした歯が生えているのだそうです。 BBC Earth Newsによると、進化を考えるとカエルでは2億3千万年前に下顎の歯が退化して以来、その後に進化したカエルはすべて下顎に歯が生えていないのですが、なんと2千万年前にこの種が出現した時に下顎の歯がまた進化してきたという

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    yamifuu 2011/02/02
  • 大卒が就職できないのもポスドクが就職できないのも理由はひとつ | 5号館を出て

    世の中の経済活動は、基的にはすべて需給バランスで動いていると考えても良いのではないでしょうか。 大学卒業生がどんどん多くなっているのに、経済状態はとてもどんどん発展しているという状況ではなく、多くの大学卒業生が望むホワイトカラーの就職先はそれほど増えていません。ポスドクのケースも好意的に考えると、文科省はこれからは学卒ではなく修士卒、博士卒、さらにはポスドクを必要とする企業がどんどん増えてくるだろうから、大学院を充実させ、博士ならびにポスドク経験者を大量に生産しておこうと思ったのかもしれません。しかし、増加する学卒を吸収できない程度の経済発展しかしていない状況のもとでは、さらに高学歴を求める企業はやはり増えなかったのです。 それにしても、新聞・テレビがこぞって同じような報道をするのにはやはりうんざりしますね。こちらが朝日新聞に掲載された、いかに今年の大卒予定者の就職内定率が悪いかというグ

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    yamifuu 2011/01/19
  • ウイルス遺伝子をゲノムに取り込み進化するバクテリア | 5号館を出て

    先週22日に届いた Nature communications の新着論文のお知らせメールに載っていたはずですが、完全に見落としていました。それが、とてもおもしろいということを ScienceDaily のニュースで認識させられました。 Bacteria Have One of Nature's First Immune Systems バクテリアは自然界で最初の免疫システムを持っていた タイトルだけではなんのことかわからないのですが、要するにバクテリアはゲノムの中にウイルス(バクテリオ・ファージ)の遺伝子を取り込むことで、ウイルスが中で増殖して破壊されてしまうことを阻止する(これが「免疫」ということでしょうか)だけではなく、ファージの遺伝子を積極的に利用して抗生物質に対する耐性のみならず、過酸化水素、酸や熱、浸透圧に対する抵抗性を獲得してパワーアップしていることがわかったというお話です。

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    yamifuu 2010/12/28
  • 榎木英介著: 博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? | 5号館を出て

    博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス) 実は私は榎木さんが東大理学部の大学院生の(あるいは学生だった?)頃から存じ上げており、当時まだそれほど一般的でもなかったウェブを使って、アフリカツメガエルを使った発生学研究を発信し続けていたことを今でも鮮明に覚えています。 ウェブサイトの名前は「たまごの部屋」だったような気がしますが、調べてみると今でもここに保存されているようですね。業の「アフリカツメガエルを学ぼう!」以外にも、後輩達のために「大学・大学院入試情報」や、今でいうところのキャリアパスのひとつとして「国家1種公務員の生物受験情報」など、一貫してどうやって大学院を生き延び、その後につなげていくかということを、自分だけではなく仲間達と一緒に考えようとしていた印象が強い方でした。 そうした行動の底を流れていたのが単なる科学至上主義ではない「正義感」であるこ

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    yamifuu 2010/11/26
  • ベトナムのレストランのメニューにあった新種の単為生殖トカゲ | 5号館を出て

    つい先週、ボアの単為発生の話題を取り上げましたが、またまた単為発生ネタです。今回も同じ爬虫類ですが、ヘビではなくトカゲです。ナショナルジオグラフィックのデイリーニュースからです。 New Self-Cloning Lizard Found in Vietnam Restaurant ベトナムのレストランで新種のクローン繁殖トカゲが発見された Leiolepis ngovantriiと名付けられた新種のトカゲは、なんとベトナム人がよくべていたもので、ベトナムの南東部のメコンデルタ地帯ではレストランのメニューにもあるということです。 カナヘビにちょっと似ているかわいいトカゲですね。 研究者が調べたところ、これはいままで報告されていない(記載されていない)新種のトカゲで、しかもオスがいないのに繁殖している単為発生の種だったということがわかりました。 これが新種の記載論文ですが、残念なことに北大

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    yamifuu 2010/11/10
  • ついにミステリー・クレイフィッシュの種が同定された | 5号館を出て

    ではミステリー・クレイフィッシュと呼ばれて、今や時折ホームセンターですら売られていることがある、Marmorkrebs (marbled crayfish:大理石模様のザリガニ)は、ザリガニ類では種の同定に決定的に重要なオスの交尾器がわからないため発見から10年近くもたちながら、未だに種名が決まっていませんでした。 うちの研究室でも5年ほど前にいただいた3匹のメスから、どんどん増えて経代されて今日に至っています。半分冗談で、我々が種として記載して種名を決めようかなどと話していたこともあるのですが、この度ついに種名を決めた論文が出版されました。 Contributions to Zoology, 79 (3) – 2010 The enigmatic Marmorkrebs (marbled crayfish) is the parthenogenetic form of Procamb

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    yamifuu 2010/10/13
  • ノーベル賞は「試験管ベビー」に | 5号館を出て

    今日発表された、今年のノーベル医学・生理学賞は1978年に世界初の体外受精児を誕生させたイギリスのロバート・エドワーズ(85)に贈られることになりました。日の報道では、iPS細胞を作り出した山中伸弥さんという声が高かったとされているかもしれませんが、30年以上も前に開発されて現在では世界中で普通に使われている体外受精と、まだ臨床的には何も生み出していないiPS細胞とでは、ノーベル賞授賞という観点から見ると比べものにはならなかっただろうと思います。 多くの報道で、授賞理由は「体外受精技術の開発」となっていますが、世界初の体外受精児が誕生した時には世界中で「試験管ベビー誕生」と報道されていたと思います。試験管ベビーという呼び方は、確かにこの写真((C)photoXpress)のように誤った印象を与えるということであまり使われなくなったのかもしれません。 体外受精は英語ではIVF(in vit

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    yamifuu 2010/10/05
  • なかなか来ない夏休みと適正な大学の数 | 5号館を出て

    7月の最終週になりましたが、大学はまだ夏休みになりません。 数年前までは、この頃になるとほとんどの講義が終了して、試験期間というものがあったのですが、去年くらいから半期の講義時間は15回を必ずこなすことと、最後の16回目には試験をするという「お達し」がさる高いところからあったようで、すべての講義のスケジュールを合わせて最後に試験期間を設けるということができなくなっています。 その結果、8月に入ってもすぐには夏休みは来ず、この夏理学部は8月12日から、また全学教育は13日からようやく夏休みになります。 (C) photoXpress 文科省としては、「大学生の学力が低下している」という世評に危機感を抱いて、大学の授業時間を確保するようにということで、我々および大学生を大学に縛り付ける時間を増やそうとしているのだと思います。 しかし残念ですが、半年のうちでたかだか1時間や2時間の講義時間を多く

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    yamifuu 2010/07/26