(前回「中国の民主はいつ実現するのか」から読む) 胡錦濤の「民主ずくめ」が、もう一つしっかりと睨んでいたものがあった。それは台湾問題だ。 拙著『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす 』(日経BP社)の第6章でも触れたように、中米国交が正常化した1979年1月1日、鄧小平は「台湾同胞に告ぐ書」を発表。今後台湾とは一切の武力対立をせず、平和裏に統一問題を話し合っていこうではないかと宣言した。そして「国民党にも抗日戦争において功労があった」と位置付けた。それ以降中国大陸では国民党が活躍した抗日戦争の映画が上映されるなどして、「共にあの苦難の歴史を乗り超えてきた同胞」としての位置づけが強調されるようになっていた。 台湾平和統一というのは中国にとっては悲壮なまでの悲願である。ここまで経済成長し強国の一つになってきた中国が、なぜあそこまで、あの小さな島一つにこだわるのか。 外部から見れば、