作家の廖亦武がドイツ文化界の最も重要な賞であるドイツ書籍取引平和賞〔フランクフルトブックフェアの目玉の一つ。1950年に設立され、世界の傑出した小説家・学者・著述家・芸術家らの中から委員会が毎年一名を選出し、ドイツ連邦大統領から賞が授与される。過去の受賞者にシュヴァイツァー、ヘルマン・ヘッセ、ユルゲン・ハーバーマス、スーザン・ソンタグなどが名を連ねる。〕が授与された。この日曜日にフランクフルトのパウルス教会で行われた授与式で、廖亦武は受賞スピーチを行った。連邦大統領ガウク、連邦議会議長ラマートらの政界、経済界、文化界など社会各界の著名人が式典に参加した。ドイツ・ヴェレはここに廖亦武の受賞スピーチ全文を掲載する。 1989年6月3日の夜中、呂鵬という名の北京市順城街小学校三年生の9歳の少年が、腕白さゆえに両親に隠れて家を抜け出し、沸き返っていた町の様子を見物に行ったために、正面から飛んできた