日産自動車の無資格検査問題で、法令に沿った検査態勢に改めることにより、工場によっては時間当たりの生産台数が半分以下に落ち込むことが同社などへの取材でわかった。不正により、本来の検査能力を超えるペースで生産してきた実態が浮き彫りになった。 日産では無資格者の検査関与が発覚後、規定のライン外での検査を放置してきた問題も発覚。それぞれの問題に対処するため、有資格者の補充のほか、工場内の構成の見直しなど抜本的な是正が必要となっている。 その結果、関係者によると、検査態勢の是正後は、国内で車を組み立てる全6工場のうち5工場で生産ペースが落ちる。国内向けの生産比率が大きい追浜(おっぱま)工場(神奈川県横須賀市)では3分の1近くに、日産車体九州(福岡県苅田町)はほぼ半分になる。日産自動車九州(同)は3割ほど、残りの工場は1~2割ペースが下がる。 最も生産ペースが落ちる追浜…