国債の流通利回りがじりじり上昇している(価格は下落)。期間20年、30年の超長期国債の利回り上昇が顕著だ。安倍晋三政権下での国債増発、財政規律喪失への懸念が強まっているからだ。(フジサンケイビジネスアイ) ロクイチの悪夢が頭をよぎる。ロクイチは通称。1978年4月~79年2月に発行された表面利率6.1%の10年国債を指す。今では「そんな時代もあったのね」と思わせる高金利国債だ。 ロクイチは80年4月に急落した。金融引き締めで公定歩合(当時)がこの間、3.5%から9%に上がったからだ。流通市場での実勢価格は額面100円に対し72円台に下がり、利回りは12%台に上がった。ロクイチを大量に保有する金融機関は巨額の評価損失の処理に苦しんだ。昨今の南欧諸国の国債の値動きと重なる。国債発行残高が100兆円に満たない時代の話だ。 時代は進んで。安倍政権は経済再生、デフレ脱却の旗を高く掲げる。国債の増発を