ブックマーク / salon.mainichi-kotoba.jp (21)

  • 「触手」と「食指」はどう違うか – 毎日ことばplus

    IT大手が原発に触手」という毎日新聞ニュースサイトの見出し「触手」は「指」だろうという意見がSNSであり、いや触手で合っているなどと議論になりました。そもそも「触手」と「指」はどう違うのかという観点で検証します。 「アマゾンなどIT大手が原発に触手」という毎日新聞ニュースサイトの見出し(契約しているウォール・ストリート・ジャーナル日版の転載)の「触手」が適切か、SNSでちょっとした議論になりました。 記事の一部を引くと 電力供給源を探し求めているIT(情報技術)各社は、新たなターゲットとして米国内の原子力発電所に狙いを定めている。 IT各社は国内にある原子力発電所を所有する企業の約3分の1と協議を実施中。事情に詳しい関係者らによれば、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はコンステレーション・エナジーが所有する米東海岸の原発を巡り、直接電力の供給を受けることで合意に近づいているという

    「触手」と「食指」はどう違うか – 毎日ことばplus
  • 「寒かったです。」の言い切りは公認された?

    「やや稚拙な感じはするが許容範囲」「違和感はない」を合わせ3人に2人が許容している数字となりました。たいへん興味深い結果です。 出題者は「寒かったですね」が最多になると予想していましたが見事に覆されました。伝統的な文法として正しい形のはずの「寒うございました」は5%足らずにとどまりました。 「寒うございました」などの形で思い出されるのは、1964年東京オリンピックのマラソンで銅メダルを取り、68年に自殺した円谷幸吉の遺書です。 父上様 母上様 三日とろろ美味しうございました。 干し柿、もちも美味しうございました。 ……などと続く「美味しう(おいしゅう)ございました」の悲しくも美しいリフレイン。このころは「ございました」が生き生きしていたことがうかがえます。 国語審議会のお墨付きでも「仮面夫婦」 しかし、それから10年もしないころ、朝日新聞記者(当時)の多勝一さんは「日語の作文技術」(1

    「寒かったです。」の言い切りは公認された?
  • 消化管の中は「体内」か「体外」か

    鳥にべられて分布を広げる昆虫。卵が「鳥の体内で移動」とありましたが、学問的に消化管の中は「体外」とされることがあります。生物学の研究に関する原稿で、卵は消化されて鳥の体内に入ってしまうと生き延びられないため、厳密に表記した方が良いのではと提案しました。 同意を得て「鳥に運ばれて移動」と修正しました。 消化管の中は体外であるという捉え方については、「『ちくわの穴』は、『ちくわ』ではない」という説明がイメージしやすいでしょうか。体の外から物が入り、排出される一の管であると考えられるためです。 関連記事:人体は「ちくわ」 消化管の中は体の外(毎日新聞医療プレミア)

    消化管の中は「体内」か「体外」か
  • 意味が伝わらない「カウンターパート」

    「分からない。日語で言い換えてほしい」という回答が半数近くに達し、校閲記者としても頭の痛いことになりました。「理解できる」「説明不要」を合わせても4分の1弱というのでは、説明なしで記事に使っても、多くの読者はその部分を何となく読み飛ばすということになりそうです。何らかの手当てが必要と考えられます。 元々の意味は「切り分けた証書」 オックスフォード英語辞典(2版)は「counterpart」の第1義(一番古い用法)として「The opposite part of an INDENTURE」と記します。「INDENTURE」は「正式証書」の意。ランダムハウス英和大辞典(2版)には「昔,同文の契約書を当事者の数だけ作成し,ぎざぎざの切り取り線によって分け,切れ目を合わせれば真偽を確かめられるようにした」とあります。 つまり、切り取られた正式な書類の(自分の持つ)一部に対応する他の部分が「cou

    意味が伝わらない「カウンターパート」
  • 「真逆」はなぜ広まったのか(前編)

    「真逆」という言葉は、毎日新聞で確認できる限りでは1998年から見られる歴史の浅い言葉ですが、急速に拡大しました。反発も根強いのですが、なぜこの言葉は昔にはなく、最近広まったのでしょう。前後編で掘り下げて考えます。 9月に出た毎日新聞校閲センター著「校閲記者も迷う日語表現」(毎日新聞出版)は、主にこのサイトの「質問ことば」から厳選して構成されています。今回はその中から「真逆」という語について掘り下げてみます。稿の筆者・岩佐の個人的見解が含まれることをご承知おきください。 定着進むが言い換えを推奨 「真逆=まぎゃく」は2004年の新語・流行語大賞にノミネートされたように歴史の浅い語ですが、一気に広まりました。この「質問ことば」のアンケートでも「使う」が18年に55%、23年に58%と過半数です。「定着した」は18年77%、23年83%と、浸透ぶりが表れています。 23年2月のNHK調査で

  • 「AIにもわかる日本語」とは

    講演は、学生たちが社会人になってまずつまずくのがビジネス文書の書き方だとして、「第三者に伝える文書はどうあるべきか」を明快に解説。新聞記事でよく言われる「5W1H」ですが、前田さんは「WHY」が抜け落ちがちだと指摘します。このWHYを意識して書くことで、単なる状況報告でなく、第三者との意思疎通ができるような内容になると説明していきました。前田さんは小学生たちを対象にした作文教室も開いており、そこでもWHYを加えるよう働きかけると、子供たちの文が次第に豊かなものになり、書くことを楽しめるようにもなったそうです。 同じ校閲に携わる筆者ですが、日ごろ記者の書いてくる文章に手を入れているものの、文章術のようなことも書くこと自体も苦手としています。それでも、「わかりやすさ」を大切にするならば、前田さんのように筋立てて文章の書き方を教えることができるくらいでないといけないかなと考えさせられました。 顔

    「AIにもわかる日本語」とは
  • 新聞は、なぜ固有名詞の字でも変えることがあるのか

    文字に求められる「公共性」 まず固有名詞は、あくまで固有の「名詞」であり、固有の「文字」ではありません。固有名詞の「固有性」は文字にあるのではなく、その呼び名にあります。文字には使う人々が共有する認識が必要で、ある種の公共性が求められます。文字については公共の規則に準拠し、固有名詞の固有たるゆえんの呼び名は尊重する、というのが基的な立場です。 ですから、漢字の字体については「現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」とされる「常用漢字表」や、「一般の社会生活において、表外漢字を使用する場合の『字体選択のよりどころ』」である「表外漢字字体表」など、国で定めた規則におおむね準拠しています。 ご人から強い希望を申し入れられたりするような特段の事情がなければ異体字は使用せず、原則の字体を用いて「黒澤明監督」は「黒沢明監督」としますし、出版社の「文藝春秋」は「文芸春秋」と表記します。村松友視さん

    新聞は、なぜ固有名詞の字でも変えることがあるのか
  • なぜ「ウサギ年」より「卯年」と書いた方がよいのか

    「ウサギ年」ではなく「卯(う)年」と呼ぶのが適切としたツイートに、国語辞典編者の飯間浩明さんが否定的な反応をしました。至らぬ点を反省しつつ、書き言葉では卯年の方がよいと判断するわけを説明します。 1月4日の毎日新聞校閲センター運営のツイッターで〈2023年は「卯(う)年」。ウサギは卯年に割り当てられた動物ですが、暦としては「ウサギ年」ではなく「卯年」と呼ぶのが適切でしょう〉と記しました。 これに対し、国語辞典編者の飯間浩明さんから以下のツイートがありました。 〈暦としては「ウサギ年」ではなく「卯年」と呼ぶのが適切〉とのことですが、これはやはり報道の内規レベルのものと思います。現に「うさぎ年」でニュースを検索すると普通に出てくるし、会話では「うどし」より「うさぎどし」が伝わりやすい。二者択一という印象を与えるのは好ましくないでしょう。 https://t.co/NIasE6VAoA pic.

    なぜ「ウサギ年」より「卯年」と書いた方がよいのか
  • 作家・逢坂剛さんの話に圧倒されました

    「校閲至極」は昨年5月から東京、大阪の校閲記者が交代で執筆しているコラムで、このほど50回を超えました。校閲としてはプロですが、一般記者ではなく記事を書くことは素人同然の筆者ばかりです。その文のどこが高名な作家の注目するところになったのか。ややいぶかしく思いながら会談に臨みました。 会ってみたら驚きました。次から次へと出てくるのは日語についての話題。作家としては言葉の使い方に関心を持つのは当然かもしれませんが、言葉を直すためそれなりの経験を積んでいる当方も逢坂さんの該博な知識量に圧倒されました。ああ、そういうことをしゃべりたかったのか、それで校閲を相手に選んだのかと納得しました。 「散見される」は「散見する」か たとえば―― なにかが「散見される」という言い方。来は「散見する」だったということです。辞書の用例は「する」だと。それで思い出したのは、「校閲至極」に初めて拙文を書いたときのこ

    作家・逢坂剛さんの話に圧倒されました
  • 「してほしい」だけじゃない 漢字で書けるのに仮名にする言葉

    と注記しています。 すっきり分けにくい場合も 動詞の下に付けて補助的に使えば漢字の意味が意識されないと考えられるわけですが、形だけでわかるとは限りません。 動詞の下に付いていても 「傘を学校に置いて来てしまった」「子供を家に置いて行く」 などは、「来る」「行く」にも意味があって漢字で書いてもよさそうです。 同じ「しれない」でも 「彼ならあんなことも言うかもしれない」 「あんなことを言う彼の気が知れない」 ――と、後者は漢字で書いてもよさそうです。 「意味が薄れた」かどうかは微妙で難しいものがあります。毎日新聞用語集は「言う」「いう」の書き分けをこのように例示しています。 「大家といえば親も同然」という例が挙がっていますが、「といえば」でも 「気にならないと言えばうそになるが……」 のように使う慣用句では、実際には言わないけれど「口に出して言ってしまうと」という感じなので「言」を使ってよさそ

    「してほしい」だけじゃない 漢字で書けるのに仮名にする言葉
  • 「つじ」の「しんにょう」は1点? 2点?

    「辻」は常用漢字ではない表外字 お手元のスマートフォンなどで「つじ」と打って変換してみてください。ほとんどの場合、2点のと表示されるはずです。しかし、学校で習った文字、例えば「近」は1点しんにょうが表示されます。どういうことでしょうか。 わたしたちが学校教育で学ぶ漢字は「常用漢字表」にもとづいています。1981年に制定された常用漢字表の字は1点のしんにょうに統一されていますが、質問の「つじ」は常用漢字表に入らなかった表外字です。「常用漢字表」の答申では、表外字の字体について「当面、特定の方向を示さず、各分野における慎重な検討にまつこととした」と言います。要するに、しばらく様子見というところでしょうか。 かつてJIS字体は「1点」だった その後、ワープロなどの情報機器の急速な普及により、かつての想像以上に表外字が使われるようになりました。情報機器に表示される文字はJISで字体が示されたもので

    「つじ」の「しんにょう」は1点? 2点?
  • グーグルさん、なかなか確認できないんですけど――検索エンジン比較

    「独立」の検索結果に仰天 日が第二次世界大戦で戦った連合国との間で結んだサンフランシスコ講和条約。これが発効した日は日が占領下からの独立を回復した日でもあります。この日付を調べようとして、たまげました。グーグルで「日 独立 いつ」と検索すると、大きな文字でドーンとこの結果が表示されたのです(上の画像)。 これは伝説上の神武天皇の即位とされる日です。「建国記念の日」のもとにもなっています。一瞬「皇国史観」の設定かとも思いましたが、よく見ると小さく「日/設立」とも出てきます。つまりグーグルは「独立」と「設立」「建国」を同義語と認識してこの結果になったのでしょう。 このようにパソコンに画面で一番目立つように“誤答”が表示されるのは困ったものです。“正解”を表示させるためには、検索語の入力にちょっとした手間をかければいいことをご存じでしょうか。それは、“ ”という引用符を検索語につける

    グーグルさん、なかなか確認できないんですけど――検索エンジン比較
  • 「入籍する」→「婚姻届を出す」

    法的に結婚することを「入籍する」と表現されることは多いのですが、入籍とは、既にある戸籍に入ること。現在は結婚すると新しい戸籍が作られるのが基なので「入籍」は誤用になります。そのため新聞では「婚姻届を出す」などと書くのを原則としています。 戦前は、いわゆる家制度で、「は婚姻によって夫の家に入る」と旧民法の条文に書かれていました。例外的な場合を除いて、夫の入っている戸籍にが加わる仕組みで、女性にとって結婚することは「入籍」にほぼ当てはまっていたと言えます。 しかし今は、戸籍法で「婚姻の届け出があったときは、夫婦について新戸籍を編製する」と定めている通り、多くの場合はどちらか一方が相手の戸籍に入る仕組みではありません。 「新しい戸籍に2人で一緒に入る」というイメージで入籍という言葉を使う方もいるかもしれませんが、辞書でも「俗に婚姻の意に用いられるが、正しくは『新たな戸籍を作る』ので『入籍』

    「入籍する」→「婚姻届を出す」
  • ギョーザの漢字は? チコちゃん、それはないよ

    NHK「チコちゃんに叱られる!」でチコちゃんが「ギョーザ」を漢字で書く問題を出しました。豊川悦司さんが書いたのは「飠」に「交」と「子」。これをチコちゃんは不正解としました。それはないよ。チコちゃん、トヨエツにダメ出ししてんじゃねーよ! 「しょくへん」が「飠」ではダメなのか トヨエツこと豊川悦司さんがNHK「チコちゃんに叱られる!」に出た回。チコちゃんが出演者に正解されて「ボーッと生きてんじゃねーよ!」という決めぜりふを言えない悔しさを紛らすために「ギョーザ」を漢字で書く問題を出しました。 豊川さんがボードに書いたのは、おちゃめなことに「飠」の右にギョーザの絵。その下に書かれていたのは「飠」に「交」の「子」でした。 これをチコちゃんは不正解としました。正解は「餃子」で、「しょくへん」の下は「二」みたいな横線でなければいけないということです。 それはないよ。チコちゃん、トヨエツにダメ出ししてん

    ギョーザの漢字は? チコちゃん、それはないよ
  • 「ウラジミール」と「ウラジーミル」 ロシア人名の注意点

    図書館で借りた、19世紀ロシアを代表する文豪の一人、イワン・ツルゲーネフの「はつ恋」。ロシア文学「金の時代」の代表作です。 「はつ恋」(新潮文庫)裏表紙カバー 何気なく目に入った裏表紙の内容紹介には「16歳のウラジミールは……」とあり、チェコ系か何かの人の話だっただろうか、などとぼんやり考えたところで、はっとして中身をめくりました。 「はつ恋」(新潮文庫)文の表記は「ヴラジーミル」。裏表紙と合っていません。出版社のサイトを見てもの紹介文は裏表紙と同じ「ウラジミール」でした。 「ウ」と「ヴ」の違いは日語で表記しがたい音をどう文字にするかの問題で悩ましいところですが、文と裏表紙が合っていないのは気になります。しかしより気になるのが長音記号「ー」の位置です。 英語で綴ればVladimirで、表記に長音の要素があるわけではなく、「ウラジミル」と書かれることもありますが、ロシアではアク

    「ウラジミール」と「ウラジーミル」 ロシア人名の注意点
  • 調べものリンク集

    公式サイトだけではなく、信頼性が高かったり、他のサイトでは得られない情報があったりするサイトも参考として載せています。 作成には相応の注意を払っていますが、リンクやリンク先の内容の正確性については保証できません。利用者ご自身で判断してください。 目が行き届いていない部分もあるかもしれません。リンク切れや、ここにない有用なサイトの情報、その他お気づきの点などありましたら、ツイッター等でお知らせいただけると幸いです。 日々更新し有用な情報を発信しているサイト運営者の方々に感謝いたします。 (2023年1月29日更新)

    調べものリンク集
  • どうやって校閲記者は調べているか

    「著者から後書きに名前を入れていいか聞かれることはありますが、誤植が後で見つかったらと思うと怖いですね」。引用部分を探す苦労、事実確認はどこまでするか…出版の分野で活躍する校正・校閲者の方々に聞きました。... 「これは会社の財産ですね。ぜひ公開してほしい」 「校閲者や司書は泣いて喜ぶと思いますよ」 毎日新聞の校閲センター内で共有しているインターネットサイトのリンク集のことです。私たちの仕事に合わせて作ってきたので一般にどこまで役に立つか分かりませんが、そのような声をいただいたため、どなたでもアクセスできる部分などを公開することにしました。 このリンク集の始まりは2009年ごろ。米国の雇用統計や消費者物価指数など、一から調べると手間がかかる経済関係の情報を早く調べるためでした。そこからスポーツなどデータが豊富に使われる記事などでもリンクがまとまってあれば便利だということで徐々に分野が広がり

    どうやって校閲記者は調べているか
  • 「そもそも」辞書を、言葉をなんだと思っているのか

    安倍晋三首相が4月19日の衆院法務委員会で「そもそも」という言葉を辞書で調べたら「基的に」という意味があると答えたことについて、昨日の閣議では「大辞林」(三省堂、第3版)に「(物事の)どだい」という意味があることを媒介に、「そもそも」=「どだい」=「基的に」という論法をやってのけました。 iOS版「大辞林」より これに倣えば、「そもそも」を辞書で引くと「いったい」ともある、「いったい」を引くと「一つのからだ」という意味もある、従って「そもそも」は「一つのからだ」という意味だ――という詭弁(きべん)が成り立ってしまうではありませんか。辞書を、言葉をなんだと思っているのでしょうね。 ちょっと振り返ってみましょう。 1月26日の衆院予算委員会での首相答弁。 「かつての共謀罪は、いわば、共謀して何人かが集まって合意に至ったらそこで共謀罪になるわけであります。今回のものは、そもそも、犯罪を犯すこ

    「そもそも」辞書を、言葉をなんだと思っているのか
  • 「阿佐ヶ谷駅」か「阿佐ケ谷駅」か

    読めますか? テーマは〈記号のような漢字〉です。凸起答えとっき(正解率 97%)今は普通「突起」と書くが、昔の小説ではけっこう使われていた。昭和初期の小栗虫太郎「夢殿殺人事件」などに用例が見られる。凸は常用漢字。なお6月6日(20... 漢字の字体の違いなどの場合ですと、「この人の名は沢田さん、あの人の名は澤田さんと書く」といったこともありえます(とはいえ、同じ字なので、原則として新聞では「沢」を使うようにしています)。 しかし、記号を記号っぽく小さくして「ヶ」と書くか、見やすいように大きく「ケ」と書くかは、漢字の字体とは違って「人により」「土地により」というわけにはいきません。新聞としては、どちらかに決めるしかないのです。 混在する「ケ」と「ヶ」 例えば、東京都杉並区阿佐谷南(これはケなし)にあるJRの駅。どう表記しているのか見に行きました。車内の電光表示で「阿佐ケ谷」でしたが、細かい字

    「阿佐ヶ谷駅」か「阿佐ケ谷駅」か
  • 「なぜ新聞は閉じカッコの前に句点を付けないのか。」

    教科書では、カギかっこ(「 」)の中でも文の終わりに当たるところには句点(。)を打っているのに、新聞では閉じかっこの直前に句点を付けていないのはなぜか、というお尋ねをいただいたことがあります。 「小学国語2下」(教育出版)の「ないた赤おに」より このご指摘はその通りで、行政の公用文や教科書などはカギかっこの中でも文の終止に句点を打つのが標準とされています。これは、1946年3月に当時の文部省教科書局調査課国語調査室で作成した「くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)」という文書にのっとったものです。表題に「(案)」とありますように、この文書は内閣告示のような正式文書になりませんでした。しかし、句読点に関する公式機関の文書がこれ以外にほぼなかったため、「(案)」のままでいろいろな資料に収録されていて、現在もこれに準拠していることが多いのです。 さて、このような文書があるにもかかわらず、新聞が閉じか

    「なぜ新聞は閉じカッコの前に句点を付けないのか。」