神奈川県は11日、南足柄市内で採取した茶葉から、食品衛生法に基づく放射性セシウムの暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える570ベクレルが検出されたと発表した。これを受け、県は同日、周辺の市町村でとれたものを含むすべての「足柄茶」の茶葉を回収し、当面の間、出荷を停止するよう同市やJAに要請した。
神奈川県は11日、南足柄市内で採取した茶葉から、食品衛生法に基づく放射性セシウムの暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える570ベクレルが検出されたと発表した。これを受け、県は同日、周辺の市町村でとれたものを含むすべての「足柄茶」の茶葉を回収し、当面の間、出荷を停止するよう同市やJAに要請した。
高さ約15メートルの高台の上に造られた、東北電力の女川原発=08年12月、朝日新聞社ヘリから東北電力女川原子力発電所=23日、宮城県女川町、朝日新聞社機から、堀英治撮影 東日本大震災の際、東北電力の女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)も、東京電力福島第一原発と同じクラスの津波に襲われたが、福島第一のような大きな被害はなく、危機的な状況に陥ることはなかった。その違いは何だったのか。 福島第一原発から北に約120キロ離れた太平洋岸にあり、三つの原子炉が並ぶ女川原発。福島第一原発を襲った津波は高さ14メートルを超えたが、女川町を襲った津波は17メートルクラスだったとする調査結果が出ている。津波で、女川原発の1〜3号機のうち、2号機の原子炉建屋の地下3階が浸水したが、原子炉を冷やすために不可欠な電源が失われることはなかった。 女川原発の安全審査で想定した津波の高さは最大9.1メートル。想
校長賞を贈られた瀬内龍虎くん=栃木県下野市の国分寺中学校 東日本大震災が起きた今月11日、栃木県下野市の市立国分寺中学校の体育館で、同中1年の柔道部員、瀬内龍虎君(13)が、崩れ落ちる天井の下から女子生徒を助けた。自身も落下物が肩にあたり、けがをするなか、女子生徒を上から覆うようにして壁際まで移動させた。とっさの判断だったが、「勇気ある行動」として校長賞が贈られた。 この天井の崩落では生徒20人がけがをした。1、2年による合同学年集会が午後3時から開かれる予定で、多くの生徒が集まっていた。 地震が起きた午後2時46分。瀬内君は体育館のほぼ中央に座っていた。揺れ始めてからまもなく、天井から小さな木片のようなものが落ちてきた。さらに揺れが激しくなると、大きな規模で天井が落ち始めた。 みんなと一緒に瀬内君が壁際に避難しようとした時、同じクラスの女子生徒が、落ちてきた照明器具で頭部にけがを
津波を想定しない海岸堤防(右)は、消波ブロック(左奥)がとぎれた部分で決壊した。地面がえぐられ、堤防の内側の陸地だった部分まで海水が満ちている=福島県相馬市磯部地区津波で破壊された福島県相馬市の住宅街。自衛隊員が捜索していた=27日、溝脇正撮影 東日本大震災で被災した福島県相馬市で、沖にある消波ブロックの列の間に津波が集中して、陸側の防波堤が決壊したことが、早稲田大の柴山知也教授(海岸工学)の調査で分かった。消波ブロックなどで高波や高潮に備えていた護岸設備は、前提としていない津波には弱かった。 柴山さんらが調べた相馬市の磯部地区は、砂浜の海岸に設けられた海岸堤防が複数の場所で決壊し、津波が街中に流入した。多くの家屋が押し流され、現在は基礎部分が残されている。 柴山さんによると、磯部地区の海岸堤防は海側に波の力を弱めるブロックを置いて台風などによる高潮や高波に備えている。堤防の沖には、
児童らが避難した後、津波で押し寄せたがれきに覆われた越喜来(おきらい)小学校の非常通路(中央)。右の児童たちも、この通路から高台に逃れて助かった=28日、岩手県大船渡市三陸町越喜来、仙波理撮影平田武さん=親族提供津波避難用の非常通路が取り付けられていた場所(写真中央)には、流されたがれきが山積みになっていた=岩手県大船渡市三陸町越喜来、其山写す越喜来小学校の非常通路 岩手県大船渡市の海沿いの小学校に、津波から逃れる時間を短縮する非常通路をつけるよう提案し続けていた市議がいた。昨年12月、念願の通路ができた。市議は東日本大震災の9日前に病気で亡くなったが、津波にのまれた小学校の児童は、通路を通って避難し、助かった。 海から約200メートルのところにある越喜来(おきらい)小学校。3階建ての校舎は津波に襲われ、無残な姿をさらしている。校舎の道路側は、高さ約5メートルのがけ。従来の避難経路は、
「週刊少年ジャンプ」最新号を手に笑みを浮かべる長谷川稜くん(左)と店主の塩川祐一さん=仙台市青葉区 1冊の「週刊少年ジャンプ」が、雑誌の最新号が届かない仙台市にある書店で、100人以上の子どもたちに「立ち読み」されている。客から譲り受けた貴重な1冊。人気マンガの続きを読み、「安心した」と笑みを浮かべる子どもたちがいた。 震災後、多くの書店が閉店するなか、同市青葉区の地下鉄南北線五橋駅近くにある塩川書店五橋店は14日、在庫だけで営業を再開した。しかし、雑誌の最新号を求める客が来るたび、店主の塩川祐一さん(47)は「ないんです。入荷も未定です」と謝り続けた。小学館の「コロコロコミック」がないと聞き、泣き出す子どももいたという。 とくに「読みたい」と訪ねてくる人が多いのが、人気マンガ「ワンピース」などが連載されている集英社の少年ジャンプだ。そんなとき、どうしても読みたいと山形県まで買いに出
木箱いっぱいのスルメイカ=鳥取県水産試験場提供 鳥取県境港でスルメイカが大漁だ。2月の漁獲箱数は前年同期の約80倍。昨夏の猛暑と年末年始の寒波の影響という。 鳥取県水産試験場によると、1〜20日に境港に揚がったスルメイカは計9万5630箱(1箱約6キロ)。中旬には1日で1万5千箱以上の日もあった。あらかじめ漁船に積んでいた発泡スチロールの箱が足りず、木箱やプラスチックのタンクで水揚げをする船もあったという。 水産試験場によると、スルメイカは夏は北海道付近にいて、海水温が下がる冬に九州付近まで南下する。鳥取県沖を通るのは例年12月ごろだが、昨夏の猛暑で日本海の水温低下が遅くなり、南下が2月になった。例年は韓国寄りの海を通るが、年末年始の寒波で急激に水温が下がり、島根・隠岐諸島周辺から流れ込む冷たい海流を避けようとして、今年は鳥取県寄りの海を通過しているという。 水産試験場沖合漁業部の
制服のスカートをたくし上げて「ミニ」にしながら、小型の毛布を足腰に巻いて歩く。こんなスタイルが、福島県いわき市の女子高校生の間ではやっている。 昨冬までは授業中の防寒対策として学校に置いたり、まれに駅やバス停で使ったりする程度だった。だが「今年は寒いから歩きながら巻いちゃってます」(2年生)。 「格好悪いからしない」という生徒もいたが、高校の最寄り駅では、登校中の20人に1人くらいが腰に巻いていた。キャラクターものが主で、柄や色の「かわいさ」も競う。外では後ろ手で端を押さえて歩き、屋内に入ると外す。 そもそもミニにするから寒いのでは? 毛布派という1年生に聞くと「ミニじゃないとかわいくない。ミニでいるためには仕方ない」。歩行中は危険などとして“毛布巻き”を禁止した学校もあるという。(西堀岳路)
愛知県内の男性(39)が、自作プログラムで図書館ホームページから新着図書の情報を集めたところ、サイバー攻撃を仕掛けたとして逮捕された。しかし、朝日新聞が依頼した専門家の解析によると、図書館ソフトに不具合があり、大量アクセスによる攻撃を受けたように見えていたことが分かった。同じソフトを使う全国6カ所の図書館でも同様の障害が起きていたことも判明。ソフト開発会社は全国約30の図書館で改修を始めた。 この問題は同県岡崎市立図書館で起きた。ソフトには、蔵書データを呼び出すたびに電算処理が継続中の状態になり、電話の通話後に受話器を上げたままのような状態になる不具合があった。一定の時間がたつと強制的に切断されるが、同図書館では10分間にアクセスが約1千件を超えると、ホームページの閲覧ができなくなり、大量アクセスを受けたように見えたという。 男性はソフトウエア技術者で、岡崎市立図書館から年に約100冊
電気ショックを避けようと、左前脚でレバーを押す「天才ラット」=渡辺哲・東海大学教授提供周りの様子を探る天才ラット=東海大学 賢いラットを実験で選び出し、95世代かけ合わせて、「天才ラット」を誕生させた。東海大学が30年がかりで育てた。普通のラットは学習能力の実験で360回中、多い時は8割以上失敗するが、「天才」はほぼノーミス。殺虫剤や農薬など化学物質が学習能力に与える影響などを調べる実験に役立ちそうだ。 「天才」は、30秒ごとにレバーを押さないと軽い電気ショックを受ける実験で、学習能力の高かった個体同士を繰り返し、交配してつくった。「賢さ」が安定するまで約20年かかったという。 天才ぶりはこの実験で実証済みだ。普通のラットは、毎日30分、レバーの押し方を教えても、360回のうち100〜300回は失敗する。一方、「天才」は360回中、失敗は平均で5回ほど。 水の中を泳いでゴールを探す
大衆魚のはずのサバの養殖が、各地で始まっている。天然が不漁続きで、経費のかさむ養殖でもペイするほど魚価が上がってきたからだ。だが、エサには天然サバの幼魚が使われている。経営難の漁業者がサバ幼魚を大量にエサ用に水揚げしているためだ。資源回復の失敗のツケが、矛盾の漁業を生んでいる。 サバ養殖は十数年前に始まった。全国海水養魚協会によると、出荷はまだ年に数百トン程度と全需要の1%にも満たないが、九州や四国を中心に広がっている。天然の漁獲が減少、2009年はピークの29%の47万トンまでに落ちたことが背景にある。養殖魚は単価の高い刺し身用としての需要のほか、大分県の業者は「不漁で天然ものの価格が上がったため、養殖が成り立つようになった」と話す。 この養殖サバのエサに天然サバの幼魚が使われている。 天然サバは冬から春に生まれ、2〜3歳で成熟して繁殖を始める。だが小さくて食用に向かない0〜1歳の
中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。 でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。 広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。 中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめ
間近に撃ち込まれた轟音(ごうおん)弾に驚く様子もなく、ハンターに近づくヒグマ。右上は轟音弾の白煙=7月、根室支庁羅臼町、神村正史撮影海岸に置かれたクーラーボックスの近くをうろつくヒグマ。やがて山側に走り去った=8月、根室支庁羅臼町、神村正史撮影 北海道羅臼町の知床半島先端付近で9月下旬、ヒグマがテントの中の食料を食い荒らした。環境省釧路自然環境事務所は、知床岬へのトレッキング利用の自粛要請を決めた。「クマが人の食料の味をしめた可能性がある」との判断からだ。実は現場では7月にも、同様の被害が報告されていた。8月には現場近くで威嚇射撃の中をハンターに近づいたクマも目撃されており、地元ではクマの行動の変化を指摘する声も出ている。同事務所は「クマの特性、性格の変化を監視していかねばならない」と話している。 今回の被害は9月25日、知床岬の手前約5キロの「念仏岩」と呼ばれる地点であった。クマがテ
小和田駅に到着した飯田線の列車。降りる人はいなかった=浜松市天竜区水窪町 緑に包まれた三河槙原―柿平間を通る飯田線の列車。線路下は宇連川=愛知県新城市豊岡中井侍駅近くの険しい山間部を走る飯田線の列車。奥に見えるのは天竜川=長野県天龍村 愛知県から静岡、長野両県へと向かうJR飯田線が、「秘境駅」の宝庫として静かな人気を集めている。商店どころか民家もなく、中には自動車で近づくことすらできない、常識を覆す駅たちだ。そんな駅をはるばる訪ねる人がいれば、駅を守る住民もいる。この夏、身近な「別世界」に足を踏み入れてみてはどうだろう。 豊橋を発車して約1時間半。静岡との県境に近づくと、車窓から見えるのはクリームがかった緑の天竜川と、生い茂る木々ばかりだ。まばらに座る乗客は、駅に着くと自分でドアを開けて乗り降りする。 さらに約40分。愛知、静岡、長野3県境にある小和田(こわだ)に着いた。皇太子妃雅
インターネットの決済サービスで世界大手の米ペイパルが、日本への事業参入を検討している。海外送金を銀行以外にも開放する資金決済法が成立する見通しになったためだ。海外のサイトからの買い物などでの利用を見込む。 ペイパルは、電子メールと銀行口座を登録すれば少額の送金や受け取りができるサービスを約190の国や地域で運営。ネット上の決済手段の一つとして定着している。手数料を抑えられることや、クレジットカードや銀行口座の番号といった個人情報を売り主に伝えずに支払いができるのを売りにする。登録数は全世界で1億7千万件を超え、米ドルや日本円など19の通貨が使える。 日本ではこれまで、海外のペイパルのサイトに接続することである程度利用できたが、銀行口座からの直接送金や日本語での問い合わせはできなかった。ぺイパルのケビン・ユー日本代表は朝日新聞の取材に「低コストのオンライン決済手段は、消費者にも利点が多い
外来魚の加工プラント。加熱処理され、丸1日かけて魚粉ができあがる=滋賀県日野町外来魚の魚粉入りの飼料をついばむ京都養鶏生産組合の鶏=京都府城陽市琵琶湖で駆除された外来魚。漁港を巡回する回収車に積まれ、加工施設へ運ばれる=滋賀県水産課提供 トウモロコシなど輸入穀物の値上がりが続くなか、琵琶湖の外来魚、ブラックバスやブルーギルが養鶏飼料の原料として注目されている。生態系を乱す厄介者扱いだが、栄養価が高く、大量に調達できる点が歓迎され、一風変わった「地産地消」の試みが動き出した。 京都府城陽市の養鶏場。10万羽のニワトリのうち、約700羽が魚粉入りの飼料をついばむ。琵琶湖でとれた外来魚を加工した魚粉1に対して、国産の玄米などが3の割合で混ぜ合わされた飼料だ。京都養鶏生産組合が5年前から実験的に与えてきた。 これまでは原料の多くを輸入の大豆やトウモロコシに頼ってきたが、世界的な穀物高でこの2
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