年金手帳や医療・介護保険証を1枚のカードで管理する、いわゆる「社会保障カード」の議論が本格化してきた。先週末に開かれた厚生労働省の有識者検討会では、同省が示した中間の論点整理案に対し異論が噴き出し合意の難しさを浮き彫りにした。 厚労省は検討会の議論を整理して今年度末までに基本計画をまとめる予定だが、国民生活に大きな影響を与えるだけに、情報をすべて公開して国民の声を聴いて進めるべきだ。拙速に結論を出すべきではない。 個人情報をカードで一元管理することに対しては国民の拒否反応が依然として強い。まずは、公的機関による個人情報管理に対する根深い不信感をぬぐい去ることから始めなければならない。 中間整理案では、社会保障カードの利点として年金記録、医療費などの情報が自宅からオンラインで確認、入手できることなどを挙げている。これによって年金の記録漏れや手続き漏れ、虚偽報告などを防ぐことができるという。