今週の月曜日、たまたま隣町のスーパーまで出かけ、眼鏡店に用事があるという家人と別行動をとり、時間潰しに立ち寄った書店の雑誌コーナーで集英社の季刊誌『kotoba』(2017年冬号)が目に留まった。表紙には「蒐集家の悦楽」と大書され、特集にふさわしく、荒俣宏、鹿島茂、みうらじゅんといった「いかにも」な面々が寄稿者に名を連ねている。 このほか、小林康夫がベンヤミンの「パッサージュ論」における蒐集行為の探求を、奥本大三郎が昆虫採集と分類学の発達を、石毛直道が「みんぱく(国立民族学博物館)」のコレクション形成史を、石黒敬章が実父から引き継いだ古写真蒐集の愉しみを、といった塩梅で、それぞれ適材適所に蒐集道の奥義を開陳している。この巻頭特集とは別枠ながら、切手蒐集をめぐる四方田犬彦の連載も、なかなか面白く読ませる。 コレクターの端くれである小生にはどの文章も興味深く、同時に身につまされる思いがした。蒐
キャスリーン・A・ベイカー (Cathleen A. Baker) 紙及び書籍のコンサベーションコンサルタント、教育者、研究者 原文は “Misperceptions about White Gloves,” International Preservation News (No.37, December 2005, p.4-9)による。版元の International Federation of Library Associations and Institutions (IFLA) Core Activity on Preservation and Conservation (PAC) の許可を得て全訳する。 なんとなく気が重い、いまひとつしっくりこない、いらいらする—これは歯医者への通院時の様子ではない。貴重で希少な書籍や文書を閲覧する時は白手袋を着用するのが当然としている特別資料
この1年でとてつもなく面白い作品にも、たくさんのユニークで素敵な作家さんにも出会えて、本当に天国のようなお仕事だった。と同時に、自分の未熟さも改めて感じる場面が多々あった。生涯学び続けないといけないなと思ったし、恐れずどんなことにも挑戦していかなきゃなぁーなんて思ったりした。 この業界の人たちは面白くて情熱的、お話上手でとにかく飲む人が多い。(それは土地柄かな?)毎日刺激的だった! 利用者さんとの仕事では自分を高めてくれるいい機会になった気がする。気づかせてもらえたことがたくさんあって、とても書ききれない。 上司も先輩も本当に素敵でカッコよくて毎日業務の間にいろんなお話をした。県外にみんなでお出かけもしたりした。楽しすぎた…あんな素敵な人たちと一緒に1年でも働くことができて幸せだった。とっても寂しい。。 さっき退勤する時、悲しすぎて号泣してしまった。上司もウルウル。本当に寂しすぎる。 でも
実は本日6/30をもって、勤めていたミュージアムを退職しました。 なので、明日から無職です( *'w')b 寿退社とか言いたいけど全然違う。とりあえずお疲れ様ということで肉を食べました。 もともと1年契約の任期付学芸員だったこともありますが、いろいろあって契約更新せず、この度退職となりました。 上司や先輩方も継続を上層部にお願いしてくれたし、私も必要な努力はしましたが、展覧会やワークショップ担当よりも、アールブリュットを専門に学んできた人でかつ障害のある方への支援を重視する人を求めたとのこと。 任期中はアートで地域を、この街を変えたいと意気込んで小さいながらもワークショップ等のイベントや勉強会、展覧会を担当させてもらいました。 しかし本来私のやりたかった学芸業務よりも、上層部は障害のある方への支援を重視しろということを何度も言ってきました。(それはよくよくかわかってたんだけど。)企画の仕事
1. アートは資産? 5月10日、「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長がクリスティーズのオークションでバスキアの絵画を約62億円で落札したというニュースがありました。ふつう私たちがニュースでアートのことを耳にするのは、このようにオークションで高額落札があったときが多いのではないでしょうか。 そのせいか、最近は「どうやらアートは巨大なマネーを生むらしい」という印象を抱いている方も増えてきているのではないかと思います。アートとはアーティストが孤独に制作し、100年後に価値が認められて美術館で日の目を浴びる…というイメージは、もはやだいぶ古い美術観なのかもしれません。実際に、アートはマーケットで流通する金融商品(資産)として認められています。 電通にも企業からアート関係の相談がありますが、その数は年々増えている実感があります。アートとマーケティングという視点からアートを考
大人も子どもも楽しめる!東京国立近代美術館の教育プログラム。あなたもプログラムを通して鑑賞をより深めてみては 前編はこちら 東京国立近代美術館(MOMAT)では、学校や先生向けのプログラム、一般向け、子ども・ファミリー向けのプログラムなど、多様な教育普及プログラムを展開しています。 毎日、コレクション展で開催されている一般向けの所蔵品ガイド(ギャラリートーク)はもちろん、子ども向けのプログラムや教材にも、大人でもやってみたくなるようなものがたくさん。そんな魅力的なプログラムとツールをご紹介します。 MOMAT2階からイサム・ノグチ「門」をのぞんで。「セルフガイドプチ&みつけてビンゴ!」All Photos=Natsuki Morooka 子どもたちにも「対話型の鑑賞」を。スクールプログラム インタビュー取材の前日に、東京国立近代美術館におじゃまして、関東のとある小学校の6年生が参加したスク
1990年代に日本に持ち込まれ、これからもっとおもしろくなる鑑賞教育。その日本における道のりとこれから 美術館の役割の一つに、「教育普及(=社会教育の場として、大人から子どもまでさまざまな来館者に美術により親しんでもらうためのプログラムを提供する)」があります。美術館を舞台にしたこのような教育活動は「美術館教育」と呼ばれます。皆さんは、美術館で働く学芸員の中に「教育普及」担当の学芸員がいることを知っていますか?「エデュケーター」と呼ばれるこの方々は、一体どんな仕事をしているのでしょうか? 2017年4月には山本幸三 地方創生相の「学芸員はがん」発言を受けてTwitter上で「#学芸員のお仕事」が流行するなど、学芸員の役割が再確認される動きもありました。しかし、「教育普及担当学芸員=エデュケーター」の存在はまだあまり知られていないのではないでしょうか。そこで、「美術館教育=ミュージアム・エデ
外国の元首や首相などの賓客を迎えるための迎賓施設である同施設。昨年の4月から賓客を迎えるのに支障のない範囲で一般公開を実施。公開日程や写真付き解説をTwitterで配信するといった取組や、特別展示の際には夜間公開なども行っている。 今回は「犬を抱く女性と楽士」「母と娘」「葡萄畑の女性」「ポプラ並木の女性と楽士」「貴婦人と召使い」「女性と天使」といった同館が所蔵する藤田嗣治画伯の天井画6点を公開する。同館館長の別府充彦さんは「天井画6点を一度に展示するのはこれが初めてで、これらの作品は藤田が6枚1組として、フランスの各地方を描いたもの」と話す。作品は、もともと銀座にあった洋菓子店「コロンバン」のために描かれた天井画で、同店の創業者である門倉國輝さんが1974(昭和49)年に同館に寄贈したもの。 展示は、皇太子妃殿下の入り口として設計された「西玄関」、公式晩さん会が催される「花鳥の間」、レセプ
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