金華山織など美しい装飾、調度品を備えた「朝日の間」。国・公賓との謁見の他、東京サミットなどでも使われた。工事が始まる前に撮影=東京都港区で2017年2月2日午前10時49分、小出洋平撮影 日本唯一の純ヨーロッパ風の宮殿・赤坂離宮が、迎賓館に生まれ変わって今年で43年になる。芸術院会員で文化勲章受章者の建築家・村野藤吾(1891~1984年)の監修のもと、1968年から5年余りの歳月と103億円の巨費を投じて、文化的価値のあるものは全て復元、空調などの近代設備も完備した。ようやく国・公賓にふさわしい“最高級ホテル”に生まれ変わったのだ。 建物にひとたび足を踏み入れると、天井絵画や豪華な織物など、きらびやかな装飾に圧倒される。明治日本から続く伝統の重み。当時の最高技術を結集した宮殿が創建100年を迎えた2009年には、国の重要文化財と国宝に指定された。ただ、長年の風雪や戦争被害、高温多湿な気候