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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (57)

  • 航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary

    今回の羽田の航空事故を巡り、事故の刑事責任の追及が自動車事故などに比べて緩やかなのはやはり納得できない、という声と、今後の安全性のためにはそれが当然、という現在の慣行を支持する主張が改めて持ち上がり、議論になっている。現在の慣行については、その日米比較を行ったこちらの服部健吾氏の論文が参照されることが多いようだが、同論文では現在の慣行を支持する論拠として、「萎縮効果(chilling effect)」が一つのキーワードになっている*1。そこで「chilling effect accident criminalize」で検索を掛けてみたところ、Flight Safety Foundation*2のPresident兼CEOのHassan Shahidiが2019年5月17日に書いた「Criminalizing Accidents and Incidents Threatens Aviatio

    航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary
    yojik
    yojik 2024/01/09
  • これはハマスの罠なのか? - himaginary’s diary

    今回のハマスの蛮行は世界を震撼させたが、なぜそこまでの残虐行為を行ったかを考えると、イスラエルにガザ侵攻を余儀なくさせるためではないか、という仮説が一つ考えられる。そこで「Hamas trap」でぐぐってみると、同様の仮説を立てている記事に幾つか行き当たったので、引用してみる。 まずは、USAIDに在籍していたR. David Hardenによる10/11付けNYT論説記事からの引用。 Hamas knew that the attack on Saturday would give Mr. Netanyahu little choice but to retaliate with a ground invasion, and it knows that the Israel Defense Forces’ technology and military superiority would

    これはハマスの罠なのか? - himaginary’s diary
    yojik
    yojik 2023/10/15
    “全ての当事者に「最大限の自制」を求めた岸田首相はハマスの意図に反する行為を行ったことになり、岸田首相の声明を声高に非難してハマスへの報復を当然視する論者はむしろハマスの思惑を支援する役割を演じ”
  • コロナ禍による死者数を過小推計した疫学者たち - himaginary’s diary

    12/31エントリで触れた経済学者から疫学者への批判の一つには、コロナ禍による死者数を過大に見積もっている、というものがあった。これは一般の人々からも特に西浦博士の推計に対し批判が寄せられる点である。一方、米国では、NYTのDavid Wallace-Wellsが最近書いた論説記事で、逆方向、即ち疫学者がコロナ禍による死者数を過小予測した、という批判がなされている。 以下はタイラー・コーエンによる記事の引用。 Dr. Bhattacharya, for instance, proclaimed in The Wall Street Journal in March 2020 that Covid-19 was only one-tenth as deadly as the flu. In January 2021 he wrote an opinion essay for the Indi

    コロナ禍による死者数を過小推計した疫学者たち - himaginary’s diary
    yojik
    yojik 2023/01/10
    “これらの学者は控えめに言っても「外した」が、そのことは忘れられつつある、と指摘している。とは言え、これらの人々をいかなるSNSからも出禁にすべきではない、ともコーエンは指摘している。”
  • クルーグマン「日本はまだオワコンではない」 - himaginary’s diary

    既に日のツイッターで話題になっているが、クルーグマンが安倍元首相の死に寄せて連ツイを投稿している。 OK, one more shock: the assassination of Japan's former Prime Minister Abe. I have zero to say about what might lie behind it and what it means. But I can talk about my meeting with Abe in 2016; he was a complicated and interesting leader, not easy to characterize 1/ As many have noted, he was an apologist for Japan's war crimes — not forgivable —

    クルーグマン「日本はまだオワコンではない」 - himaginary’s diary
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    yojik 2022/07/09
  • 実効再生産数に波が生じる理由 - himaginary’s diary

    Philippe Lemoineというコーネルの博士課程にいる研究者が、自らが所属するThe Center for the Study of Partisanship and Ideology(CSPI)という組織のブログに「Have we been thinking about the pandemic wrong? The effect of population structure on transmission」と題した長文のエントリを上げ、タイラー・コーエンが「Why does R vary so much in pandemics?」というコメントを添えて リンクしている。Lemoineはツイートでその内容を解説しているので、以下にその一部を引用してみる。 However, as I argue in the post, I think it's very difficult

    実効再生産数に波が生じる理由 - himaginary’s diary
    yojik
    yojik 2021/11/30
    (人間関係の)クラスタで局所的に集団免疫が達成されたりするため、感染の波は共同体の構造によるかもという話。例えば東京の夜の街感染が意外に少ない事実とかにも符合するし、日本の特殊性も説明できるかも。
  • SIRモデルでの実効再生産数の極限は? - himaginary’s diary

    以下のツイートを目にして、実際の測定値はともかく、感染モデル上は感染が収まった時に実効再生産数はどうなるのか、という疑問を抱いた。 皆さん大事なことなので誤解の内容にお願いします。この数字は感染者数が下がりきると必ず1になります。 https://t.co/InyzZjb5ac— 理系の感染症医 (@rikeicorona) 2021年10月1日 SIRモデルについては、RIETIの関沢洋一氏がExcel上で仮想的な数字で計算できる方法を公開している。また、基再生産数を含めたSIRモデルの簡単な解説としてはここで読める鈴木=西浦論文がある*1。関沢氏は感染率をb、除去率をcという記号で表しているので、基再生産数R0はb/cとなる。b=1.5、c=0.5という関沢氏の数字を使えば、R0=3である。また、実効再生産数Rtは、同様に関沢氏の表記を使えば、R0×S(t)/S(0)で計算できる。

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    yojik 2021/10/07
  • デルタ・シュトラウシアニズムの誘惑 - himaginary’s diary

    アストラゼネカの開発責任者だったアンドリュー・ポラード・オックスフォード大学教授が集団免疫の可能性を否定した、というニュースが話題になったが、シドニー・モーニング・ヘラルド紙が「AstraZeneca lead scientist says Delta makes mass testing pointless in UK(アストラゼネカの責任者である科学者はデルタ株によって英国の大規模検査は意味が無くなった、と述べた)」というタイトルを付けて転載した10日付のSarah Knaptonによるテレグラフ記事(H/T タイラー・コーエン14日付MRブログエントリ)によると、ポラード教授は同時に一種の検査抑制論を唱えたようである。以下は同記事からの引用。 Speaking to the all-party parliamentary group on coronavirus, Sir Andre

    デルタ・シュトラウシアニズムの誘惑 - himaginary’s diary
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    yojik 2021/08/18
    新型コロナは数値のバリエーションと解釈が多様であらゆる態度がとれる(トンデモじゃなかったとしても)。 コーエン自身のバランスの取れた態度は凄いね。
  • 疫学の実践的学習:行動の反応を伴う空間SIRモデルの実証的含意 - himaginary’s diary

    という論文をタイラー・コーエンが紹介している。原題は「Learning Epidemiology by Doing: The Empirical Implications of a Spatial Sir Model with Behavioral Responses」で、著者はAlberto Bisin(NYU)、Andrea Moro(バンダ―ビルト大)。 以下は著者の一人Moroのツイッターでの解説。 How does geography affect the diffusion of COVID-19? How can we compare the U.S. to Ireland? New York to Miami? How do we make sense of figures like this? In this paper, we simulate a Spatial SI

    疫学の実践的学習:行動の反応を伴う空間SIRモデルの実証的含意 - himaginary’s diary
    yojik
    yojik 2020/09/28
  • 集団免疫論者は正しかったのか? - himaginary’s diary

    タイラー・コーエンが23日に集団免疫についてMRに長文のエントリを上げている。それによると、スウェーデンやロンドンやNYでは抗体保有者の割合がおよそ20%に達した後に入院者数や死者数が急減した半面、第一波に続く感染拡大の波が最初とは別の地域(マドリードの後のバルセロナや、NYの後のアリゾナなど)で起きたことにより、集団免疫論者の正しさが裏付けられたように思われた、という。しかし、マドリードやイスラエルを第二波が襲い、ロンドンも第二波に見舞われつつある現状では、集団免疫論者の主張が数週間前ほど正しく思われなくなった、とコーエンは言う。これに対する集団免疫論者の反論にコーエンは以下の通り懐疑的である。 In response, many of the herd immunity theorists strike back and ask “where are the deaths“? But

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    yojik 2020/09/28
  • パンデミックの訓練:ホラー好きと死や暴力ものが好きな人はCOVID-19パンデミック中に精神的により元気 - himaginary’s diary

    という「Personality and Individual Differences」掲載予定論文をタイラー・コーエンが紹介している(7月時点の日語紹介記事1、2、3、4)。論文の原題は「Pandemic practice: Horror fans and morbidly curious individuals are more psychologically resilient during the COVID-19 pandemic」で、著者はColtan Scrivner(シカゴ大)、John A. Johnson(ペンシルベニア州立大)、Jens Kjeldgaard-Christiansen(オーフス大)、Mathias Clasen(同)。 以下はその要旨。 One explanation for why people engage in frightening ficti

    パンデミックの訓練:ホラー好きと死や暴力ものが好きな人はCOVID-19パンデミック中に精神的により元気 - himaginary’s diary
    yojik
    yojik 2020/09/22
    荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論でも、ホラー映画の恐怖を安全な場所で体験することは人生に訪れる本当の恐怖の予行演習になる的なことを言っていたな。
  • ネットワークでのCOVID-19のモデル化:スーパースプレッダー、検査および封じ込め - himaginary’s diary

    タイラー・コーエンが、「この研究によって漸く何かが分かってきた気がする(With this research, I feel we are finally getting somewhere.)」というコメントを添えて、エージェントベースのSEIRモデルとネットワーク理論を活用した表題の論文を紹介している。論文の原題は「Modeling COVID-19 on a network: super-spreaders, testing and containment」で、著者はOfir Reich(グーグル)、Guy Shalev(同)、Tom Kalvari(テルアビブ大)。 以下は論文の文中で検査と検疫に関する結果についてまとめた部分。 Exiting lockdowns without allowing critical levels of spread is possible if

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    yojik 2020/05/02
  • もはや正常状態に戻る計画は存在しないのか - himaginary’s diary

    エズラ・クラインがVox記事でそう嘆いている(H/T MR)。 以下はその記事の冒頭。 Over the past few days, I’ve been reading the major plans for what comes after social distancing. You can read them, too. There’s one from the right-leaning American Enterprise Institute, the left-leaning Center for American Progress, Harvard University’s Safra Center for Ethics, and Nobel Prize-winning economist Paul Romer. I thought, perhaps naively, t

    もはや正常状態に戻る計画は存在しないのか - himaginary’s diary
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    yojik 2020/04/13
  • 将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary

    ふと、かつて温暖化対策の行き過ぎを諌めたビョルン・ロンボルグはグレタ・トゥーンベリについて何か言っているのかな、とぐぐってみたところ、9月末にこのような論説を書いていることを知った。以下はその概要。 人間が気候変動の科学を理解して行動しないことは「悪」であり、気候変動によって「人が死んで」おり、あと8年余りで炭素の排出余地は尽きてしまうため、2028年までに化石燃料で動くものをすべて閉鎖すべし、というグレタ・トゥーンベリの国連演説は、良く見られる主張であるが、根的に間違っている。確かに気候変動は人為的な原因で現実に生じているが、気候変動で世界が終わるという彼女の見方は根拠が無い。IPCCによれば、2070年までの気候変動の影響は、生態系への影響も含めても、平均所得の0.2-2%の減少に相当する。その時までに、地球上の各人の所得は300-500%向上している。 1世紀前の生活はつらいものだ

    将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary
    yojik
    yojik 2019/12/16
    id:neko2bo トゥーンベリ氏をちゃんと対等に扱った上で、過剰な温暖化対策優先論に対して自分の意見を述べて反論しているだけと思います。好悪とか関係無い話だし、単純に持ち上げるよりよっぽど彼女を尊重した態度
  • ノーベル経済学賞を受賞したハイエクが賞の問題点を説いた時 - himaginaryの日記

    Tim Taylorが、自分の2年前のエントリを再掲しているが、その中でハイエクがノーベル経済学賞を受賞した時の言葉を引用している(H/T Mostly Economics)。 Your Majesty, Your Royal Highnesses, Ladies and Gentlemen, Now that the Nobel Memorial Prize for economic science has been created, one can only be profoundly grateful for having been selected as one of its joint recipients, and the economists certainly have every reason for being grateful to the Swedish Riksb

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    yojik
    yojik 2018/10/10
  • 地域通貨と一般理論 - himaginary’s diary

    昨日のエントリでは「金融政策論議の争点―日銀批判とその反論」の書評を載せたが、その原稿は当初以下の一節を含んでいた(字数の関係で最終稿では泣く泣くカットした)。 なお、深尾氏は、実質金利を下げる最終手段として、現預金への課税(=事実上のマイナスの名目金利)を提案しているが、小宮氏も唯一この提案には一定の評価を与えている。ただし、言うまでもなくその政策は日銀の金融政策の範囲を超えている。 この「マイナスの名目金利」に関して、地域通貨やケインズの一般理論との絡みで以前自分なりにまとめたことがあったので今日はそれをアップしてみる。といっても、自立した文章として書いたのではなく、山形浩生さんが以前オンラインコラム(残念ながら現在はリンク切れ)で地域通貨について書いていたのを読んで、無謀にも人にメールしたものである。 なお、2回に渡ってメールしたが、山形さんからはいずれもきちんと返事を頂いた(そち

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    yojik 2017/10/26
  • テクノクラートが見守る中で民主主義が死につつある - himaginary’s diary

    ウィリアム・イースタリーがフォーリン・ポリシー誌に表題の論説を寄稿している(原題は「Democracy Is Dying as Technocrats Watch」)。以下はそこからの引用。 Technocrats have always shown little interest in fights over fundamental values. Their work proceeds from the assumption that everyone — or at least all the people who truly matter — already share the same enlightened commitment to democratic values. The only debate they are concerned about is over evid

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    yojik 2017/01/02
  • なぜ資本主義は無意味な職を創出するのか - himaginary’s diary

    David GraeberというLSEの人類学者が、9/27付の表題のEvonomics記事(原題は「Why Capitalism Creates Pointless Jobs」)で、ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」*1の労働時間の予言が間違った理由について、ややマルクス主義的な仮説を立てている(初出はストライク誌の2013/8/17付記事「On the Phenomenon of Bullshit Jobs」;H/T Mostly Economics)。 以下はその冒頭。 In the year 1930, John Maynard Keynes predicted that technology would have advanced sufficiently by century’s end that countries like Great Britain or the Un

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    yojik 2016/10/13
  • 何がブルシット仕事か? - himaginary’s diary

    9日エントリは思いがけず沢山のハテブを頂いたが、そこで紹介した記事(ただしストライク誌の初出版)にノアピニオン氏が3年前に反応していたことに気付いた。 As you might expect, Graeber's article was thoroughly panned by most of the economists who even paid attention. But Graeber is on to something. Though I heavily doubt that many of our jobs represent a diabolic plot by our overlords to keep us in chains, it seems clear that many Americans no longer understand how their work

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    yojik 2016/10/13
  • 危険な哲学者 - himaginary’s diary

    uncorrelated氏が、相模原の事件を受けたツイートで哲学者ピーター・シンガーの論を引いていた。氏は以前からブログエントリでシンガーを取り上げており(ここ、ここ)、昨年末も今回のツイートと概ね同趣旨のことを書かれている。そこで、シンガーとはどういう人なのだろう、とWikipediaを当たってみたところ、1999年の表題のニューヨーカー記事(原題は「The Dangerous Philosopher」*1)に行き当たった。同記事の中でシンガーの矛盾を突いた箇所が興味深く思われたので、以下に引用してみる。 This sort of reasoning can seem both numbingly logical and excessively coarse. Take, for example, his view of charity. Singer has written that

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    yojik 2016/10/06
  • 相模原障害者殺傷事件とピーター・シンガー - himaginary’s diary

    こちらのtogetterを目にして、海外では相模原事件とピーター・シンガーを結び付けた議論はされているのだろうか、とぐぐってみたところ、シンガー自身が豪州ABCのQ&Aという番組でこの問題について追及された際のやり取りを取り上げたデイリーメール記事が見つかった。以下はそこからの引用。 After 19 people were massacred at a disabled care facility in Japan, disabilities advocate Kath Duncan asked Mr Singer whether his views inspired such violence. Ms Duncan only got part way through her question before Mr Singer cut her off to ask, 'And you t

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    yojik 2016/10/06