元長柾木が放つ、渾身のスペースオペラ!10年代の文学シーンをリードする「星海社SF」ムーブメントの幕開けを、“たった今”あなたは目撃する————。 人類社会全体が一つの紀年法によって統一される瞬間は、地球という一天体の地表のみで人が生を営(いとな)んでいたあいだにはついにおとずれなかった。 人が生まれ育った場所からほとんど移動することもなく一生を終えていた時代においてはもちろんのこと、鉄道が大陸を横断し、航空機が大洋をまたぎ、通信網が張りめぐらされ、マスメディアが画一的なイメージを大衆に伝え、ネットワークが個人を人類社会全体と連結して――人と情報と資本が国家の枠を超えて地球上をゆきかい、単一の経済的有機体が地球を覆いつくして文化や言語を平準化してもなお、紀年法の統一はなされなかった。 大宗教において重要事件の起こったとされる年を元年とする、キリスト紀元や仏滅紀元やヒジュラ暦。世俗の王朝の開
竜と剣、そして目くるめく魔法の世界。ファンタジーの王道中の王道に颯爽と挑むスーパータッグ、虚淵玄×高河ゆん! 2010年、ファンタジーの歴史に新たな一章が刻まれる……。最新&最高の“バディもの”がここに! 白い霧は先を進むほどに濃くなり、タウとキアの行く手を阻(はば)むようになった。周囲に水気は全くないというのに、まるで沼地に迷い込んだかのようだ。 この霧が、普段は遥(はる)か頭上に「雲」として仰ぎ見ているものなのだと思うと、タウは不思議な感覚に囚(とら)われる。山岳を越える旅では、いつものことだ。 「――引き返す気は、ないんだね?」 背中にかけられたキアの言葉に、いい加減タウはうんざりきた。もう何度同じ遣(や)り取りを繰り返しているか知れないというのに。 「そこまで嫌なら、お前一人で帰ればいい」 「嫌、か。……うん、確かに嫌ではあるんだが」 そうは言いつつ、淡々たるキアの口調には感情の色
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く