《もっと「贈りもの」をしたくなりなさい》 人間の社会と文化の歴史は「交換」で成り立っている。物々交換、貨幣による交換、市場での交換、為替の交換などが、あらゆる経済生活を成立させてきた。そうみなすのが経済学の基本でもある。 しかし、古代社会ではむしろ「贈与」こそが重視されてきたと分析してみせた社会人類学者がいた。名著『贈与論』を書いたマルセル・モースだ。 モースは西太平洋諸島に顕著だったポトラッチやクラといった儀礼的な贈与行為や返礼行為に着目し、古代部族においてはたんなる等価交換のためとはいえない「互酬性」を重んじた“原経済”のようなものがあったとみなしたのだった。 贈与と互酬性の社会では、贈る者の価値観とそれを受け取った者の価値観とこれらを返済する者の価値観とがうまく成り立っている。モースはそのようなことが成立するのは、提供・受納・返済がその社会の根本に関わっているからだと考え、これを「全
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く