【ソウル大貫智子、米村耕一】ウェブサイトに掲載したコラムで韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を傷つけたとして情報通信網法違反(名誉毀損=きそん)に問われた産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)の判決公判が17日、ソウル中央地裁であった。李東根(イ・ドングン)裁判長は「虚偽の記事(コラム)によって朴大統領個人の名誉を傷つけたが、公的な関心事として書かれたもので、中傷する目的があったとは認められない」などとして、無罪(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。 事件は日韓間で政治問題化していたが、安倍晋三首相が無罪判決を評価したほか、韓国外務省当局者も「韓日関係が改善される契機になることを期待する」と述べた。公判冒頭、裁判長は、日本側から善処を求められているとする韓国外務省が裁判所に送った文書を読み上げた。検察は「判決文の内容を確認し、控訴するかどうかを決める」としている。