中村哲さんは手本 危険でも「誰かの役に立ちたい」 アフガニスタンでNGO「ペシャワール会」現地代表で医師の中村哲さん(73)が殺害された事件では、紛争地で支援活動にあたることの尊さとともに、厳しさも知らされた。やはり世界各地の紛争地や被災地で医療支援などに取り組む国際NGO「国境なき医師団(MSF)」の取材を続け、人生観が変わったという作家のいとうせいこうさん(58)に、活動の現場から見えてきたものを聞いた。【沢田石洋史】 いとうさんは11月にイスラエルとヨルダンを訪ね、MSFが運営する病院の取材を終えて帰国したばかり。パレスチナ自治区ガザの滞在先近くではイスラエル軍による空爆があったという。 「ヨルダンの病院では、爆弾で顔が焼けただれたパレスチナ難民の子どもたちがいて、顔や体の再建手術が行われていました。ガザでは、イスラエル軍に銃で撃たれた人々を間近に見た方に『自分たちのことを伝えてくれ