手で口を覆って集合写真の撮影に臨み、国際サッカー連盟(FIFA)の「口封じ」に抗議の意を示すドイツ代表の選手たち=カタールのドーハで2022年11月23日、ロイター サッカーのワールドカップ(W杯)主催国カタールに対し、外国人労働者や性的少数者らに対する人権侵害の非難が欧米を中心に上がっている。 しかしこの国の政治・外交・文化を含めたトータルな理解なしに、欧米流の基準で批判をするのは的外れのように思う。 カタールへの孤立化政策 カタールは同国に対する周辺国の数年にわたる孤立化政策を乗り切ってW杯を迎えた。その意味で、W杯は周辺国に対する政治・外交的勝利を画すイベントでもあった。 サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、エジプトの4カ国が対カタール断交を発表したのは2017年。4カ国は、イランとの外交関係の縮小、イスラム同胞団などテロ組織との関係断絶、カタールの衛星テレビ「ア
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