はじめに 2022年5月、2年間の任期を終えて関西経済同友会代表幹事を退任した。まさに激動の2年間であった。私が代表幹事に内定した2019年11月、インバウンドは絶好調、設備投資や個人消費等の内需も堅調であった。万博や「ワールドマスターズゲームズ2021関西」等のビックイベントも控え、ビジネスチャンスやインバウンドの更なる拡大に向け、大阪・関西の魅力を世界にアピールする絶好の機会だ、と関西全体に追い風が吹いていた。ところが、2020年に入り、それが突然強烈な逆風に変わってしまった。新型コロナウイルスの出現である。私が代表幹事に就任したのは、緊急事態宣言が発出されている、まさにその真っ只中のことであった。 コロナとの対峙、そして共生へ 文字通り、この2年間はコロナと対峙した、辛く、しかし貴重な期間であった。もともと、VUCA(Volatility Uncertainty Complexity