アナリシス Analysis 13 石油・天然ガスレビュー 石油需要量の急激な増加や、世界の主要な生産油田が枯渇化している現状などから、世界の石油生産量 がそろそろピークを迎え、その後は減退に転じて安い原油が供給できなくなるであろうという警告、いわ ゆる"石油ピーク論"が叫ばれている。実際、昨今の油価高騰と需要増加は既発見油田の生産量を増加させ るべく開発支出が膨らむ一方で、リスクの大きい探鉱投資は減少傾向にある。従って、新規油田の発見が 遅れており、埋蔵量のリプレースメント*1 のうち新規油田発見による追加鉱量は年間生産量の半分に達し ていない*2 。このまま推移すると、地質的な探鉱限界が来ていないにもかかわらず、世界の石油埋蔵量が 減少に転ずる危険性が高い。 新規発見油田に目を向けると、かつて探鉱が困難であった大水深部(西アフリカ、ブラジル、メキシコ 湾、東南アジアにおける水深5