【広州=吉田健一】中国共産党中央宣伝部が国内メディアに対し、中国の金融市場に出回っている資金が足りないことなどに関する報道を規制する通達を出していたことがわかった。 複数の中国メディア関係者が8日、読売新聞に明らかにした。市場の動揺を抑えるとともに、経済の先行き懸念が社会不安や当局批判につながることを警戒した措置とみられる。 通達は6月25日付。中央宣伝部は全国の宣伝部門を通じ、〈1〉市場での資金不足や株安の問題を大きく取り上げない〈2〉中国人民銀行(中央銀行)の政策を「肯定的かつ正確」に解説・報道する――ことをメディアに指示した。 中国では6月に入って、短期金利の急上昇や上海株式市場の株価急落などで市場が不安定化し、一部の銀行の経営不安を指摘する声まで上がった。