発送電の分離についての議論が盛り上がっていますが、業界の中の人は意外に醒めています。「NTTの中途半端な分割にも15年かかった。当時の自民党よりはるかに政権基盤の弱い民主党政権でできるはずがない」という声が多いようです。これは官民の力関係もさることながら、そのメリットが見えないことも原因です。 今は世の中が「東電憎し」で盛り上がっているので、送電網を分離するというと拍手を浴びるかもしれないが、分離したら本当に競争が起こるでしょうか? 海部美知さんも指摘するように、規制強化だけやっても、ガチンコで闘うライバルが出てこないと競争は生まれない。東電をスケープゴートにして「公正競争」の建て前を振りかざしても、ビジネスは変わらないのです。 かつて電電民営化のとき、中曽根内閣は土光敏夫氏を第二臨調の会長にし、オール財界のバックアップで電電公社と全電通を追い込みました。電電を民営化するだけでなく、第二電
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