放射線検査のため、東北大には多くの自治体から野菜や魚などのサンプルが送られてくる(5日、東北大サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターで)=高倉正樹撮影 「調査は、やらないほうがいい。やっても余計に騒がれるだけだ」 福島第一原発の爆発事故から間もない3月23日。県産農産物の放射線調査を実施するかどうかを巡り、県幹部はそうつぶやいた。 これに先立つ同月17日、厚生労働省は、食品衛生法に基づき、全都道府県に対し、食品の調査を要請していた。その日のうちに調査に乗り出した茨城県では、ホウレンソウから規制値を超える放射性物質が検出された。群馬、栃木両県でも検出され、出荷が制限されたが、本県の動きは鈍かった。 しかし、厚労省から宮城を含む福島周辺の9県が名指しで検査を求められると、村井知事は同月25日、野菜や原乳、水道水の測定を始めると発表した。 学校プールの水質調査でも、対応は後手に回った。 県教