BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で、「フロントローディング」(業務の前倒し:施工や維持管理など後工程で発生する問題を設計段階で解決すること)を行う時、設計者の業務量は必然的に増える。しかし設計者がそれに見合った設計報酬を得られる仕組みがないことがネックになっている。設計者はBIMによる設計のメリットを可視化し、自ら設計料を提案することが今、求められているのではないだろうか。 BIMのフロントローディング効果とは、実施設計の前後にピークを迎えていた設計業務を、企画設計や基本設計などの段階に前倒しすることによって、プロジェクトの品質、コスト、工期、安全性、環境性などを向上させることだ。設計変更のコストは、現場が動いていないプロジェクトの上流段階ほど安く、様々な検討を重ねて設計変更を行いやすい。 フロントローディング実現のカギを握るのは、建設プロセスの上流段階にいる設計者の