やー、反物質というとSFに登場する架空の存在だと世間様に思われているかもしれないけど、医療など意外にわれわれの身近なところで使われている。とはいえ、反物質なんて実感がわかない。ということで、家庭で簡単に反物質が作れる方法がないか考えてみるよ。 いきなり反アルミニウムとか複雑な構造をもたものは難しいので、とりあえず一番簡単な電子の反粒子である陽電子を作ってみよう。さすがに小麦粉を混ぜたくらいでは作れないが、いまでは学生実験でも簡単に取り扱えるありふれた存在だ。陽電子とは電子の反物質で、質量や相互作用といった電荷以外の性質は電子と全く同じ*1だが、電荷だけが逆のプラスになっている粒子だ。自然界で生成された陽電子は速やかに電子と対消滅を起こしてエネルギー(ガンマ線)に変換される。そのエネルギーは1円玉ほどの反物質があれば山手線の内側を更地にできるほどだが、そこまでの大量生産を行う技術は今のところ