日本の財政当局は、当初予算の前年度比を社会保障の+5000億円のみに抑制している。ここまでは報道もされるが、その意味は、どこまで知られているのか。他方、税収は約55.5兆円だから、1%成長なら5500億円増える。つまり、1%成長なら財政収支が悪化しない仕組みにしてあるということだ。実際は、2017年度の成長率の見通しはもっと高く、名目で2.5%だし、税収は成長率以上に伸びるのが普通だから、そうなると財政収支は改善される。 こうした説明を公式にしてくれたら、国民は安心すると思うんだがね。裏返せば、5000億円を超える福祉や教育の充実は、財政収支を現状より悪化させるから、増税とセットということも腑に落ちる。そして、1%以上の成長を果たしたら、努力を喜び、果実を財政再建と福祉・教育にどう配分するか議論したら良い。世の閉塞感は、際限の見えない財政再建、最低限の対応だけの福祉・教育という、展望と希望