「今は、どこの大学に行ったかよりも、大学で何をしたかが重要です」と、その方は言った。 彼はあるテクノロジー系企業の採用責任者だ。数多くの学生を面接し、有能な学生を何人も引っ張った。 「大学受験までの勉強は、「自発的な探求」ではありません。」と彼は言う。「まあ、せいぜいパズルがうまく解けるといったレベルの話です。」 彼はそう言い切ると、少し沈黙した。私に今の言葉を反芻するよう促しているのだろう。 「だからあまり大学名は重視しません。それよりも、「卒論の質」のほうが遥かに重要です」彼はそう言った。 「どんなテーマを、どうやって決めたか。その面白さは何か。新しさは何か。先生に与えられたことをやっただけなのか、自ら追求したのか。それは「自発的な探求」をどの程度できるかのバロメータです。」 「そういうものですかね。」 「少なくとも、学校名よりは遥かに多くの材料が手にはいります」 私はひとつの質問をし
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