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ブックマーク / kaoriha.org (51)

  • 中里一日記: 「STAP細胞 研究論文の疑義に関する調査 中間報告」まとめ

    ・基的に全部「調査中」  中間報告なので仕方ない。   ・「改竄と盗用が山盛りだが、悪意があるかどうかは調査中」 ・「泳動写真の切り貼りには、今のところ悪意が発見できない。切り貼り前の泳動写真は、論文の主張を覆すものではないように見える」  悪意があるならもっと真面目にやる、という説を裏付ける形。   ・「STAP細胞が実在するかどうかは、第三者の追試を待つ」  こんな怪しい話に、自分のリソースを賭ける人はまずいない。  追試がたとえ百万回失敗しようとも、「実在しない」という結論を確定することはできない。ただ、百万回も失敗を繰り返す前に、誰も追試をしなくなる。現在のSTAP細胞も、誰も追試をしなくなった状態にある。   ・「ES細胞とのすり替え疑惑については検証しない」 ・「STAP細胞と称するものが実はES細胞だったかどうかの検証は不可能」  若山氏のキメラマウスを調べた結果が出ても、

  • 中里一日記: 「STAP細胞 研究論文の疑義に関する調査 中間報告」の生中継

    3月14日14時、ニコニコ生放送にて、「STAP細胞 研究論文の疑義に関する調査 中間報告」の生中継がある。「その時、科学史が動いた」を目撃するチャンスなのでお見逃しなく。    ポイント: ・「形式上の不備」という説明だけで乗り切ろうとするのではないか? ・なぜ証拠となるサンプルを第三者機関で検査しないのか? 当初は「曖昧なままフェードアウト」という方針があったのではないか? ・D論画像の流用についての笹井氏の説明に対してどう考えたか? ・竹市氏はSTAP細胞が存在するという主張をまだ続けるなら、その根拠はなにか? キメラマウスのTCR再構成は調べたのか? ・証拠保全はいつ何をしたのか? ・この事件に最初からつきまとっていた過剰さはまだ続いているか?...

  • 中里一日記: 百合だからコラム百本 第1回 はじめに

    百合だからコラム百 第1回 はじめに 百合が流行ったり廃れたりする今日このごろ、読者諸氏はいかがお過ごしでしょうか。ずっと廃れっぱなしの日々が長かった身としては、流行り廃りも悪くないものです。 私は最近、きらら系四コマの隆盛を追いかけるべく、きらら系まんが誌を全部読むという挑戦をしています。挑戦です。「間違ってさえいない」というのは疑似科学に対する批判ですが、この伝で言えば、「駄作でさえない」作品があまりにも多いように思えます。私が根的にわかっていないのではないかという恐れが強いので、こまごまとした感想などはまだ言えません。 そんな私が今日から始めるのが、この連載コラムです。『百合だからコラム百』。毎週日曜日、百合のあれこれについて考察します。二年ほどかけて百書く予定ですが、ネタ切れの際にはなにとぞご容赦ください。 社会性。 「そういう感情は一過性のもので大人になれば」というあのお

  • 中里一日記: 百合だからコラム百本 第2回 成長

    百合だからコラム百 第2回 成長 篠原千絵に『海の闇、月の影』という作品があります。あらすじを一行にまとめれば、「双子の姉妹が愛憎の超能力バトルを繰り広げるアクションサスペンス」。 もう少し詳しく説明しましょう。 非常に仲のいい双子の姉妹(主人公と敵役)が、同じ男(彼氏役)を好きになり、彼氏役は主人公を選ぶ。その直後、天変地異の影響で、姉妹はバトル系の超能力を得る。同時に敵役は性格が一変して、支配を好み殺人をためらわないようになる。主人公の性格は変わらなかったのに敵役だけがこうなったのは、敵役が彼氏役に選ばれなかったことが影響している。敵役は多くのものを支配しようとするが、とりわけ彼氏役に執着し、そのために主人公を殺そうとする。敵役を止められるのは主人公だけであり、主人公は超能力バトルで敵役の行動を阻む。しかし主人公は敵役を殺そうとはしない。敵役が天変地異の前に戻り、再び仲良くなれること

  • 中里一日記: 百合だからコラム百本 第3回 字余りとしての男

    百合だからコラム百 第3回 字余りとしての男 21世紀最大級の愚問を思いつきました。「百合に男性の登場人物は必要か?」。 これではあまりにも愚問なので、もう少しマシな形にしましょう。「男性の登場人物を活躍させれば、百合は面白くなるか?」。 多くの場合、その逆が正解です。よい作品の基礎となるのは、よい制限です。「字余りにすれば、短歌はよくなるか?」。答えは自明でしょう。 しかし、字余りの傑作、字余りであるがゆえの傑作が存在することも事実です。 この比喩でいえば、前回取り上げた『海の闇、月の影』は、自由律ということになるでしょう。百合と言われなければ百合とは思わないかもしれない、というわけです。 今回は、いわば字余りとしての男について考えてみます。 TVアニメ版『神無月の巫女』が傑作かというと、否です。が、なにかしら悪くないもの、捨てがたいもの、見るべきものがあります。野心作、という評価が妥

  • 中里一日記: 百合だからコラム百本 第5回 セクシュアリティと善悪とヒエラルキー

    百合だからコラム百 第5回 セクシュアリティと善悪とヒエラルキー 2007年、アメリカでのことです。保守派の(=非常にゲイに優しくない)上院議員(男性)が、空港のトイレでおとり捜査中の警察官(もちろん男性)を性的に誘ったとして現行犯逮捕され有罪を認めた、という事件がありました。 事件そのものは、見てのとおりのものであり、私から言いたいことはなにもありません。私がここで問題にしたいのは、この事件に対してどんな態度を取るか、です。 「自分自身もゲイでありながら、政治家になるために保守派に媚びた」とその議員を批判するのは、よくある態度であり、立派な態度でさえありうるでしょう。が、作品を読む・書く態度ではありません。 もうひとつの例を見ましょう。 1980年代のHIVパニックが収まってから現在に至るまで、欧米におけるゲイの権利運動というと、同性婚がもっとも注目されています。外野から見ると、ゲイの

  • 中里一日記: 百合だからコラム百本 第6回 年の差カップルと性的虐待

    百合だからコラム百 第6回 年の差カップルと性的虐待 「年の差カップル」というとき、ここでは仮に、中学生以下と18歳以上ということにします。 皆様のお手元にある、志村貴子『青い花』(太田出版)1巻38、39、65ページをご覧ください。「でも どのみち 無理なんだもんね」(39ページ)、「ふみちゃん 私じゃ いや? こわい?」(65ページ)。 またこれも皆様のお手元にある、玄鉄絢『星川銀座四丁目』第3話をご覧ください(どうしたことか私は今、棚から単行を探し出せないので、『つぼみ』を見ています)。「…乙女がよくて 私がよくても この国の法律が 許さないの…」。 百合における年の差カップルはしばしば、こういう「不自由」をモチーフにします。 まんがを読む目でなく、ニュースを読む目で眺めれば、先に掲げた2つの人間関係は「性的虐待」という単語を呼び起こします。 作品というのは日常生活と違って便利

  • 中里一日記: 百合だからコラム百本 第4回 姉妹こそ人類の理想

    百合だからコラム百 第4回 姉妹こそ人類の理想 姉妹という関係は、人類の理想を託すのに最適――そんな思想が、この世にはあるようです。 この思想は、特に20世紀前半に盛んだったようです。たとえば、小杉天外『魔風恋風』。主人公の初野(女学生)は軽薄な陰謀家で、ほとんど誠実さを感じさせませんが、唯一、妹に対してだけは深い情愛を見せます。また、吉屋信子の家庭小説。姉妹の仲がいい、を通り越して、天国にしかありえないような理想的な人間関係として描かれている作品を散見します。 戦前の女学校における「エス」関係では、しばしば年上の相手を「お姉様」と呼んだとされます。事実がどうだかは知るよしもありませんが、呼んだと「される」のには、それなりの理由があるはずです。 姉妹という関係は、批判的な検討を免れる特権的な関係であり、姉と妹はまるで天使のような汚れのない無条件の愛を互いに抱く――そんな思想が、この世には

  • 中里一日記: 俺Twitter

    yuiseki
    yuiseki 2012/12/28
  • 中里一日記: これは大事なことなので転載します

    これは大事なことなので転載します 大津市で昨年10月、公立中2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、学校が実施したアンケートに「(教室に)貼ってあった男子生徒の写真の顔に、死亡後も、いじめをしたとされる生徒が穴を開けたり落書きをしたりしていた」など、執拗ないじめの様子に関する記述があったことが7日、関係者への取材で分かった。 アンケートには、ほかにも「お金を取られていた」と金銭を脅し取っていたことを示唆するものや、自殺した生徒以外の生徒もいじめていたとするものがあった。 男子生徒死後も写真に落書き 学校アンケートに記述 いじめをする生物はこういう生物です。こういう生物が生息する環境は、新聞やテレビに出てくるような文明社会ではなく、ジャングルです。 ジャングルでワニに出くわしたとき、ワニに向かって「話せばわかる」とは誰も言いません。相手が自分と同じ心を持った人間だなどとは思わず、

    yuiseki
    yuiseki 2012/07/07
  • 中里一日記: Array Considered Harmful あるいは、なぜC言語のポインタは難しいのか

    Array Considered Harmful あるいは、なぜC言語のポインタは難しいのか 大昔、子供向けのBASIC入門のを読んだら、「配列でつまづく人が多い」と書いてあったのを覚えている。 今でも配列――今ではたいてい「リスト」という格好いい名前がついている――を使うときには、「これこそプログラミングの味!」とでも言うべき不自然さを感じて、抵抗を覚える。 たとえばループ変数の名前、i。なぜいつも同じ名前、つまり意味のない名前なのか。よい名前がつけられないということは、なにかがうまくいっていないということだ。 この点で、関数オブジェクトとmapは文句なく正しい。が、それで配列まで正しくなるのか。 配列とは値の集合であり、少なくとも以下の3つの性質がある。 1. 重複を許す(多重集合) 2. 要素間には前後の順序がある(全順序) 3. 配列の各要素は連続した整数と1対1対応する(インデ

  • 中里一日記: インタプリタがコンパイラになる話

    インタプリタがコンパイラになる話 4半世紀前に「BASICコンパイラ」に憧れた皆様こんにちは。 当時、インタプリタとコンパイラは格が違う存在だった。 ・ホビイストはインタプリタ、プロはコンパイラ ・無料でパソコンについてくるのがインタプリタ、何万円も出して買うのがコンパイラ ・起動してすぐに使えるのがインタプリタ、段取りが多くて敷居が高いのがコンパイラ そしてなにより、 ・遅いのがインタプリタ、速いのがコンパイラ パソコン雑誌の広告等で「コンパイラ」を見て憧れを募らせていた私は、Javaや.NETのJITコンパイラに騙されているような気が今でも少しする。インタプリタなのかコンパイラなのかどっちなんだ、と詰め寄りたくなる。 もちろん、(昔の)インタプリタと(昔の)コンパイラのどちらと比較しても優れているのがJITコンパイラだということは知っている。それでも、あの絶対的な格の違い、越えられない

    yuiseki
    yuiseki 2012/01/24
  • 中里一日記: Coders at Work まとめ Part 1

    Coders at Work まとめ Part 1 『Coders at Work』はいいなので、思いのままにまとめてみた。 ネットに山ほどある「まとめ」の流儀に従い、まとめ元の内容など事実上無視している。ネットの「まとめ」を真に受ける人がいるとは想像したくないが、世の中には底抜けに天井知らずに愚かな人がいるらしいので、一応警告した。 第1章 Jamie Zawinski ・(Emacs LispコンパイラについてStallmanへのメールで)「前のコードはクズだからすっかり書き直した」 ・C++には嫌悪しか感じません。あらゆることがあらゆる仕方で間違っています。 #だがそれがいい。プログラミング言語が生み出した究極のパズル、C++。 ・Perlは嫌いですね。ひどい言語です。しかしおよそどこにでもインストールされています。 ・Objective Cで書きましたが、あれは非常に良い言語です

    yuiseki
    yuiseki 2012/01/18
  • 中里一日記: 正規表現マッチングはMap-Reduceできる

    正規表現マッチングはMap-Reduceできる グレゴリオ暦で新年を祝われる皆様、あけましておめでとうございます。 今日のお題は正規表現。ただしチューリング完全なPCREではなく、有限オートマトンにもとづく来の正規表現である。 一個の巨大な文字列に対する正規表現マッチングをMap-Reduceで分散計算することはできないと思い込んでいるマヌケな子はいねーがー? できそうな気はするけれどアルゴリズムがわからないアホな子はいねーがー? 大丈夫、このエッセイを読むまで私にもわからなかった。アホはあなただけではない。といってもなんの慰めにもならないが。 (このエッセイは正規表現のインクリメンタルマッチングの計算量について論じているが、分散計算のほうが例として自然と思ったのでそうした) 英語とHaskellができてモノイドとfingertreeが常識な人なら元のエッセイを読めばすべて一目瞭然だと思

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    yuiseki 2012/01/03
  • 中里一日記: HTMLに「見た目ではなく意図を書く」という幻想

    HTMLに「見た目ではなく意図を書く」という幻想 『Coders at Work』を立ち読みした。 Brendan Eichが10日間でJavaScriptを設計実装させられたと知り、ますます1994年のNetscape社を爆破したくなった。Netscape社がうまくいっていないことは製品からも見て取れたが(マイナーバージョンが上がるたびに同じバグをエンバグ→修正→エンバグ→修正と繰り返した事件を覚えている)、ここまでひどかったとは想像できなかった。アメリカのドキュメンタリー屋には、Netscape社がどんなクソの山だったかを証言するドキュメンタリーを制作してほしい。 私には想像もつかないレベルでプログラミングしているお歴々のありがたいお言葉を拝読しながら、私は疑問に思った。誰かのクソをってクソをひりだしてそれをまた別の誰かにわせる、あの世界との接点がどこにもない、と。 誰かのクソを

    yuiseki
    yuiseki 2011/12/27
  • 中里一日記: このコールバック地獄からの卒業

    このコールバック地獄からの卒業 JavaScriptの名前システムに日々キレている読者諸氏よこんにちは。もし私がタイムマシンで1994年に戻って「オサマ・ビン・ラディンを暗殺するか、それともネットスケープ社を爆破するか、どちらかを選べ」と迫られたら間違いなく後者を選ぶ。迫られなくても選ぶ。 Tiny BASIC以来最悪と名高い(高めるのは私)JavaScriptの名前システムで誰もがまず困るのは、コールバック・スパゲィだ。それがどんなものか知らない幸運なかたはこちらを参照。よい名前システムは七難隠すで、多少のコールバック・スパゲィごときはどうにでもなる。よほどの場合でなければ同期オブジェクトを持ち出してもいい。が、JavaScriptにはどちらもない。 そこで、世の中ではすでに山のようにコールバック・スパゲィ対策が打ち出されているが、デファクトスタンダードはない。 私もひとつ対策を打ち出し

  • 中里一日記: 記憶

    記憶 全人類に読ませたいので、とりあえずここに書く。R・デーケン『フロイト先生のウソ』(文春文庫)197-198ページより。 最初の調査は、一九八六年のスペースシャトル・チャレンジャー爆発事故の翌日におこなわれた。約一〇〇名の被験者に、事故のニュースをどんな状況で聞いたかを書面で答えてもらった。回答は、七項目の質問(「そのとき、どこにいましたか」、「誰といましたか」、「そのニュースを何で知りましたか」など)に答える形でおこなわれた。数年後、コンタクトが取れた被験者(約半数)に再度同じ質問リストに答えてもらった。最初の調査のときと答えがい違う項目があった人には、暗示や誘導尋問や助言によって正しい記憶を呼び覚まそうとした。 その結果は、映画「トータル・リコール」(アーノルド・シュワルツェネッガー扮する主人公が、架空の冒険の記憶を植え付けられる)を彷彿とさせるものだった。まず、回答者の四分の三

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    yuiseki 2010/12/16
  • 中里一日記: 倫理学といえば

    倫理学といえば 『ハーバード白熱授業』のおかげで倫理学が盛りあがっているらしい。 倫理学には詳しくないが、というより詳しくないせいで、前から気になっていることがひとつある。 人間が因果関係や事実を認識するときには、価値判断がその前提にある。言い換えれば、価値判断と無関係な因果関係や事実がたとえあるとしても、それは人間には認識できない。「大人は質問に答えない」だ。 このことの極端な例は、犯罪事件の報道で使われる紋切り型のひとつ、「犯人はわけのわからないことを言っている」だ。犯人が意図してわけのわからない(わからせない)言葉を発しているケースは稀だろう。多くのケースでは、発語した瞬間の当人にとっては、まったき必然性に満ちた真剣な言葉だろう。ただその必然性が、報道という行為の前提にある社会的な関心や価値の外にあるにすぎない。薬物が見せる幻覚についての一般論ならまだしも、個々の患者が見た個々の幻覚

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    yuiseki 2010/09/08
  • 中里一日記: 集団発狂と戦う

    集団発狂と戦う 助産院 ホメオパシー ホメオパシーというのは、マクロビオティックやメガビタミンやナントカ還元水や酸素水や放射線ホルミシス(ラドン温泉)やマイナスイオンの仲間、つまりインチキだ。それぞれの実害を誰か計算してくれないものだろうか。 上記リストのなかではラドンがもっとも利権がらみで理解が遅れている。タバコの副流煙が止まらないうちにラドン温泉を叩くのは、を放置してこんにゃくゼリーを叩くようなもの、という気もするが、その一方で、この喩えはなにか違うのではないか、という気もする。うーむ。

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    yuiseki 2010/07/10
  • 中里一日記: 集団発狂は止められるか

    集団発狂は止められるか 子供を見ていると、人間はそもそも集団発狂している存在だとわかる。 学校でうんこは恥ずかしくない! 「チーム」結成し悩み解決 あの狂気はまだ続いているのかと思って、ため息が出た。 現在の目で戦前・戦中の日を見ると、こういう子供同然の集団発狂のありさまが観察できる。おそらく現在も、後世の目で見れば、「学校でうんこ」レベルの狂気が蔓延した世界なのだろう。

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    yuiseki 2010/07/01