“子供の貧困を考える”をテーマとした本連載コラム、第1回と第2回は、日本や諸外国における貧困指標、つまり「どのような人を貧困とみなすか」という貧困状態の測り方について述べた。第3回となる今回は、日本ではあまり馴染みがないが、貧困状態を測る上で大変重要な指標であり、ヨーロッパを中心とした諸外国で広く用いられている「物質的剥奪指標」について詳しく紹介したい。 「物質的剥奪指標(material deprivation index)」という名称は少しわかりづらいが、たとえば「1日3食食べることができる」、「修学旅行に行くことができる」、「サイズの合う靴を持っている」といった、生活に必要なモノやサービスを、経済的な理由で享受することができない状態(=物質的剥奪状態)にあるかどうかを測定し、その結果を以てその人の生活水準を測る指標である。 第1回のコラムで述べた通り、貧困指標として最もよく用いられて