文芸と読書に関するyuta3_21のブックマーク (117)

  • 伊藤計劃『虐殺器官』と共に読むべきブックリスト - 死に舞

    すでに読了後2ヶ月くらい経つが、せっかくなのでメモっておく。 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 伊藤 計劃 昨年、夭逝した伊藤計劃のSF小説。各界でも話題のであるから、特段私が付け加えることなどないので感想と、虐殺器官をより面白く読むため、または虐殺器官を通して、人間、言語、戦争といったものに興味を感じた人のためのブックリストでも作っておこうと思う。しかしながら、各界で話題でとなりながらも、一部論壇ではこのは全くと言っていいほど扱われていない。未だセカイ系などラノベなどのどうでもいいものを批評と称しているが、それはそれで意味のあることだが、なにゆえこのを扱わないのか。前島賢のこのセカイ系とは何か ポスト・エヴァオタク史 (ソフトバンク新書)ですこしだけ触れられているが、現代の論壇や批評においてはかなり無視されているといっていいんじゃないか。ただこの伊藤計劃の虐殺器官はラノベやセカイ

    伊藤計劃『虐殺器官』と共に読むべきブックリスト - 死に舞
  • みやきち日記

  • 『紫色のクオリア』 うえお久光著 アルフレット・ベスターへのオマージュ - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    評価:★★★★4つ (僕的主観:★★★☆3つ半) うん、傑作だ。これが、通常のライトノベル的に、読み捨てられて、来年いは絶版になって手に入りにくくなってしまうかと思うと・・・・残念だ。非常に素晴らしい作品。それにしても、ライトノベルって領域というかブランドというカテゴリーってまさに、よく出来た!って思うよ。こういうカテゴリーがなければ、こういう作品は出てきにくかったろう。 この作品を語るべきポイントは、下記に書いたの後半の『1/1,000,000,000のキス』のスピード感になるんだろうけれども、第一章の『毬井についてのエトセトラ』の、世界とのズレを・・・・この世界とは異質なものがあることに気づいていく、じぁーっとした恐怖感、気味悪さは、最高だなぁ。こんな感覚、がんばってフィリップ・K・ディツクを読んだ時以来だ・・・。これをほとんど、労力をかけず読めるのだから、この平易さ大したもんだなぁ・

    『紫色のクオリア』 うえお久光著 アルフレット・ベスターへのオマージュ - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
  • 「越境」コーマック・マッカーシー | 族長の初夏

    これはものすごい。圧倒されました。メキシコの荒野をひとりで放浪する少年の体験を、まるで自分自身の体験と錯覚しそうなほど、リアルというか実感のともなった孤独感がもうなにこのすごいのわけわからない。いつも思うんですが、古今の高名な小説家たちはどうしてただの文章で、文章だけでこんなとてつもない芸当ができるんだろう。まるで魔法だ。高度に練達した文章技術は魔法と区別がつかない。 あらすじはシンプルで、牧童の少年ビリーがアメリカからメキシコへ旅をしていろいろなものを見たりいろいろな人に出会ったりいろいろな揉め事を起こしたり、という話です。「ザ・ロード」や「血と暴力の国」同様、どことなく神話的な趣のあるロードノベルという感じ。 作中のサブエピソードの中で特に印象的なのは、「崩れそうな教会に住んで神に議論を挑む男」、「眼球を吸いだされて盲目になった元革命軍兵士」、「山の上に墜落した二機の飛行機を運ぶジプシ

  • 男と女はどのように壊れるのか「軽蔑」

    オシドリ夫婦が壊れていく話。 「よくあることじゃん、現実にも」という方には、次の点を強調しておこう。この小説は、男性側から一方的に見た、「オシドリ夫婦が壊れていく話」なんだ。インテリであり作家である夫が告白する形式なのだが、その回想描写が正確であればあるほど、心理分析が的確であればあるほど、疑わしく思えてくる。なにが?なにもかもが。 わたしたちは愛し合っていた。この物語の主題は、わたしが依然としてを愛し、を無批判に受けいれていたときに、どのようにしてエミーリアがわたしの欠点を見出し、あるいは見出したと思いこみ、わたしを批判し、ついにはわたしを愛さなくなったかを語ることである。 愛さなくなっただけでなく、夫のことを軽蔑し、静かな怒りまで抱くようになったという。夫にしてみれば、身に覚えもなく、やましいことも一切していない(と思っている)。なので、最初は戸惑い、次に怒り、ついには泣きつく。

    男と女はどのように壊れるのか「軽蔑」
  • Hatena ID

    Hatena ID is an account used for various Hatena services.

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  • ディストピア十傑 - 小学校笑いぐさ日記

    ソヴィエト科学アカデミーは、慎重な研究の結果、アダムとイブはソ連人だったという結論に達した。 なぜなら、彼らはべるものはリンゴしかなく、財産は身に着けるものさえなく、エデンの園から出ることも禁じられていた。 にも関わらず、彼らは自分たちが楽園にいることを疑わなかったからである。 (冷戦時代のジョーク) “アダムが耕し、イブが紡いだ時、誰が地主だったか”(ジョン=ボール) ディストピア十傑、とかいう企画があるのを発見したのでわけもわからず便乗。*1ディストピア大好き! 住みたくないけど!(当たり前だ) で、このところ長文が続いて申し訳ないんですが、これもまた長い。 今回、ただ単に私の偏った趣味を書いているだけで、何の参考にもならないので、読む必要は全然ないです。ほんとに。 警告しましたよ? さて。 まず、私の思う「ディストピア」について考えてみると、いくつかの必要条件があるものと思います。

    ディストピア十傑 - 小学校笑いぐさ日記
  • このロビンソンが面白い「フライデーあるいは太平洋の冥界」

    デフォー「ロビンソン・クルーソー」をご存知だろうか。遭難した主人公が、南海の孤島で自然を開拓し、従僕フライデーとともに文明生活を築く話だ。 では、ヴェルヌ「二年間の休暇」はどうだろう?無人島に漂着した少年たちが、力を合わせて生きていく物語だ。「十五少年漂流記」の方が膾炙しているのかもしれない。あるいは、家族版ロビンソンともいえる、「ふしぎな島のフローネ」はご存知だろうか?どれも、ロビンソン漂流記をアレンジしている。 どの話も共通点がある。大自然に投げ出され、それなりに苦労もするが、文明人らしい生活を作り上げていく。自然の驚異や野生との共存といったテーマが描かれ、野性(採集・狩猟)から、文明(開墾・収穫)への歩みがストーリーのベースラインとなる。もちろん、狂気ルートへ逸脱する「蝿の王」や、テクノロジーの暴走が科学文明を築いてしまう「ふしぎの海のナディア(島編)」が成り立つのは、こうしたベース

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  • はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました - はてなの告知

    はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28

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  • はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました - はてなの告知

    はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28

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  • 小説家のバイブル「小説の技巧」

    小説は自由だ。何をどう読もうと勝手だ。 けれども、小説から快楽を得ようとするなら、その技巧を知ることは有意義だ。前立腺やGスポットの場所を知らなくてもセックスは可能だが、より快楽に貪欲になるのなら、知っておいて損はないのと一緒(訳者の柴田元幸はもっと上品に、「ショートカットキー」に喩えてた)。「ヤってるうち自然と身につく」という奴には、「愚者は経験に学ぶ」という箴言を渡す。快は無限だが、生は有限。読める数は限られている。 同時に、小説書きにとってはバイブル級。読者を快楽の絶頂へ導く手引きが解説されているのだから。プロットやキャラといったハウツーを超え、マジック・リアリズムや異化、多声性、メタフィクションといった質的なレベルで語られる。しかもサリンジャーやナボコフ、ジョイスといった練達者のテクストが俎上乗っている。心してかかれ。 ただし、いそいで付け加えなければならないのは、「知る」ことと

    小説家のバイブル「小説の技巧」
  • はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました - はてなの告知

    はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28

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  • 八十神高校2−2日記 - たまごまごごはん

    はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいてます。 >女の子を金魚にたとえてひたすら愛でて、その様子がやたらエロティックな小説 おそらくですが、室生犀星『蜜のあわれ』ではないかと思います。金魚と老作家の全編会話体の小説です。 最初の方の金魚が老作家に「人を好くということは、とても愉しいことでございます」と言わせる場面にものすごくドキドキしましたが、だんだんついていけなくなって最後まで読んでないです。今度は最後まで読んでみます。 それにしてもこれが最晩年の作品というのだからとんでもないなぁ、とは思います。 >女の子を金魚にたとえてひたすら愛でて、その様子がやたらエロティックな小説があったんだけど 室生犀星の作品にそんなのがあったよーな気が…違ったかな? >女の子を金魚にたとえてひたすら愛でて、その様子がやたらエロティックな小説 室生犀星の「蜜のあわれ」だと思います。「おじさま」と金魚の「あ

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  • ミステリーとの半世紀

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 佐野 洋 販売元/出版社 小学館 発売日 2009-02-21 Amazon/bk1/楽天ブックス ミステリは好きなのだが、だからといって片っ端から読むわけでもないわけで、全く読まない作家もいる。 佐野洋もその一人なのだけれども、何故読まないのかといえば、やっぱり、これはという抜き出た作品が思い浮かばないせいなのだろう。 とりあえずSFミステリということで『透明受胎』や「金属音病事件」あたりは読んでおくべきだよなあとは思ってはいるものの読まずに来てしまっているんだよなあ。 もうひとついえば、その昔、都筑道夫と名探偵論争をやったことも

    ミステリーとの半世紀
  • サイエンス・イマジネーション - 誰が得するんだよこの書評

    科学者がロボットや人工知能といったテーマについて語り、SF作家がそれにマジレスする(アンサーソングとして短編を書く)というこの企画。超絶面白い。とくに科学者たちの話がことごとく面白い。発想が大胆すぎて科学者の発言というよりもSFファンの与太話にしか聞こえない。どんなにすぐれたハードSFでも「まあ所詮フィクションだしな」と受け流して読んでしまうんですが、同じ内容を科学者の口から聞くと破壊力が段違いです。科学すごいよ科学。 大胆すぎる未来予想 50年(以上)未来に向けた課題 (中略) 環境・社会⇔身体⇔神経系:相互作用と秩序形成・変化の情報・物理学統合理論:統一通貨で行動・認知の全体を理解。環境激変のもとでも維持されうる人格・自己同一性とは? ・全人的コピー(脳のソフトをコピーという昔の概念ではない):人口過少、多数の自分、永遠の存在 國吉康夫(東京大学情報理工学系研究科) これだけだと何を言

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  • 「綺譚集」津原泰水 | 族長の初夏

    「心が折れる」小説とはこういうものだろうか。倫理と生理を総動員しての拒絶反応と幻想がもたらす快楽の板挟みによるサブミッション攻撃。津原泰水という人は、美しいものを醜く、あるいは醜いものを美しく表現する悪魔的な文才の持ち主なのだろうか。この異形のことばたちの前では、あの「妖都」もただの習作に思えるほどです。 しかもこの作品集、収録作15のほぼすべてがそれぞれ異なる文体で書かれているという凝りよう。短編一ずつに、ここまでするのか……。たまげ申した。 「天使解体」 幼女の死体を綺麗な写真が撮れるように「解体」しようとする男の壊れた精神を、純朴な語り口で描いた作品。圧倒的です。淡々とした描写と凄惨な光景のギャップが凶悪すぎる。ほんとうに嘔吐したくなりました。 「サイレン」 動物を殺すことで性的興奮をおぼえてしまう少年が、ふしだらな姉に祖父殺害を誘われる話。どろっとしたエロくささで窒息しそう。こ

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  • 404 Blog Not Found:SF - 狂ったマザコンもの4種+1

    2009年01月06日14:30 カテゴリ書評/画評/品評 SF - 狂ったマザコンもの4種+1 実はあの「ハイペリオン/没落/エンディミオン/覚醒」もそうだったというのはさておき.... もうそろそろSFで突然攻撃してくるロボットとか、狂ったマザーコンピ なんなんだよ、このマザーコンピュータのせいだったの黄金パターンは。いつまでやり続けんだよ、マジで。もう、2001+8年だぞ。2061年とかになってもやり続ける気か。この設定をみんなそんなに求めているわけ? 僕は誰もそんなに求めているとはどうしても思えないんだけどな…。 「狂ったマザコンもの」をちょっと分類して、代表作を上げたくなってきたので.... 分類法は、オチで分類すると意外と簡単。 人類がそれを自覚 | | (2) | (1) マザコンの勝ち--------------人類の勝ち (3) | (4) | | 人類無自覚 あとこれに

    404 Blog Not Found:SF - 狂ったマザコンもの4種+1
  • 急激に退行する世界にて - hiroyukikojima’s blog

    このエントリーは、最初のバージョンでは、いくつかのブログで指摘されたように(例えば、http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20081227)、装飾が強く効き過ぎてしまい、とりわけ経済学に精通している人には書き手の意図が反転して伝わってしまうようなので、アップ時より若干加筆しました。(2008.12.31.) ここ3ヶ月の世界の激変には目を見張るものがある。あらゆる景気指標が、劇的に悪化し、派遣切り・期間労働者切り・正社員切り・生産の長期休止・・・。どうして、こんな急激な変化が可能なのだろうか。実家が自営業の学生やレストランの店主に改めて聞くと、6月頃から変調が見られたそうだ。大学教員という職業のせいで気づくのが遅かったのかもしれない。だが、これほどのピッチになったのは、リーマン破綻後であることは確かだろう。 ぼくが、経済学を勉強し始めたのは、80年代の

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  • グレッグ・イーガン『万物理論』 - 無言の日記−It’s Nothing, Don’t Mention That

    実はid:Atori:20041214:p1さんのレビューを読み、再読。 イーガンは短編の方が読みやすいと思う。しかし、イーガンがいつもここかしこで提訴する「アイデンティティ」「ジェンダー」の問題が興味深すぎて、長編もついつい読んでしまう。もっとも、長編のメインはイーガンのもう1つの持ち味「量子論」に攫われてしまうことが多く、「アイデンティティ」や「ジェンダー」の物語は惜しみなく投入される多くの枝葉・アイディア・ガジェット・世界観のどれか一つであることも珍しくないのだが…… 作で出てくる「ジェンダー」に関する議論は大まかに分けると2つ。 1つは性別について。強化男性、強化女性、微男性、微女性、転男性、転女性、汎性といった性別が出てくるが、とりわけ第3の性としてあつかわれるべき汎性は、中性風の外見を持ち、性器がどのようになっているのかは家族とパートナーくらいしか知る必要がないと考えるひとび

    グレッグ・イーガン『万物理論』 - 無言の日記−It’s Nothing, Don’t Mention That