「おまえは科学リテラシーが足りない」なんて言われると、グゥの音もでない。 理系をハナにかけてる輩からふっかけられると、いつもこうだ。でも科学ってなんなの?極論すれば、科学って宗教の一種でしょ?誰も見たこと/聞いたこと/観測すらできないことを、信じる・信じないの話じゃないの?ホラ、高度に発達した科学は魔法と変わらないなんて言うし――そんな独善に陥っていたわたしに、良いお灸になった。 もちろん原子は肉眼で見えないが、たしかに実在している。そしてその原子の本当の姿について、人類は知識を深めていっている――これは"常識"の範疇なんだろうが、この常識的な考え方をただ信じるだけでなくて、議論を通して正当化しようとする――これが、本書のテーマ「科学哲学」だ。 …なのだが、どうも著者が主張したい「科学的実在論」の形勢は不利だ。科学は確かに知識を深め、役に立っているのだが、哲学の凶器「相対主義」のバッシング
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