「オールジャパン体制で鉄道インフラを輸出する」という安倍晋三政権の号令のもとで、世界各地で鉄道案件の発掘が行なわれている。そんな中、日本のODA(政府開発援助)が活用され、受注確実のはずだったフィリピンの首都・マニラを走るLRT「軽量路面電車」1号線延伸計画の入札が不調に終わった。入札の最右翼とされていたメーカーに、新たな車両を製造できるだけの設計や生産の余裕がなかったためだ。 案件を探す国や政府関係機関と、生産を担う車両メーカーの間で連携が取れていないという実態は、"鉄道「オールジャパン」のちぐはぐな実態”でも書いたとおり。こうした問題を打開すべく、国土交通省は鉄道事業者や車両メーカーにヒアリングを行ない、今後の方向性についてレポートをまとめた。ところが、ヒアリングの際に驚くべき提案が国交省から出されたという。 国交省が提案した「車両の標準化」 ある鉄道事業者の車両開発担当者がこう明かす