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東大の理系は、一年生から「科学の技法」を叩き込まれる。 『知的複眼思考法』を読んだとき、批判的に読み・考えるトレーニングを徹底させる東大の文系が羨ましいと思った。『科学の技法』を読んだいま、科学の技法をゼミナール形式で学べる東大の理系が羨ましい。 東大で始まった新しい試み「初年次ゼミナール理科」が凄い。 理系の一年生は全員必修で、1クラス20名の少人数を、教師+TA(ティーチングアシスタント)できめ細やかに指導する。学術的な体験(アカデミック体験)を通じて、サイエンティフィック・スキル(科学の技法)を修得することを目的としている。 この科学の技法が羨ましい。前半が「基礎編」で、あらゆる研究をする上で基礎的となるだけでなく、仕事にも必須なスキルが紹介されている。後半が「実践編・発展編」で、研究チームを意識できるようなゼミを「ラボ」として開講し、そこで基礎的な演習を行う(垂涎だらけなり)。 ◆
地球をシステムとして捉えた「地球惑星科学」の入門書。 地質学をベースに、天文学、地球物理学、分子生物学から古生物学、物理化学や環境化学、海洋学など、ありとあらゆる自然科学を総動員して説明してくる。その切り替えはスムーズで、「今から化学の視点で分析するよ」と宣言されない限り継ぎ目が見えない。地球という存在に取り組むにあたり、細分化された学問では説明しきれないという思いが文章のあちこちに溢れており、応用科学の真骨頂に触れる、エキサイティングな読書となった。 本書を面白くさせているのは、視点スケールだ。すなわち、地球をまるごと把握するため、全体を一つのシステムとして理解する発想である。地球を「系」で考え、串刺しで説明しようとする。たとえば、地球寒冷化を説明する際、太陽活動や巨大隕石の影響のみならず、大気水圏で起きている事象と、固体地球圏での原因の相互作用として説明する。しかも、人のスケールである
By livibetter 誰かを傷つけてしまった時、人は謝罪することを迫られ、有名人や責任者であれば公の場で謝罪を行うわけですが、どういうわけか「謝っているように見えない」と思われることもあります。なぜ人によって謝罪に差が出てしまうのか、その原因を探るべく心理学者によって調査が行われ、その研究結果が発表されています。 An affirmed self and a better apology: The effect of self-affirmation on transgressors' responses to victims http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022103114000638 StatusPage.io Blog - Why Most Public Apologies Suck http://blog
「数学とは何か」「数学の起源とは」から現代数学の全体像,数学と他分野との連関までをカバーする,初学者でもアクセスしやすい総合事典。プリンストン大学出版局刊行の大著「The Princeton Companion to Mathematics」の全訳。ティモシー・ガワーズ,テレンス・タオ,マイケル・アティヤほか多数のフィールズ賞受賞者を含む一流の数学者・数学史家がやさしく読みやすいスタイルで数学の諸相を紹介する。「ピタゴラス」「ゲーデル」など96人の数学者の評伝付き。 「数学愛好者にとっての優れた道しるべとして」 森重文先生(京都大学教授,国際数学連合総裁,1990年フィールズ賞受賞)ご推薦 「数学愛好者にとっての優れた道しるべとして,プロの数学者にとっては専門外の分野の理解に,本書は頼りになる一冊である.古今東西の数学を見渡し,多岐にわたる分野を網羅して,それぞれ選りすぐりの世界的権威が分
By Bob Bekian 「録音した自分の声」や「電話などで反響して聞こえてきた自分の声」「ムービーの中で話す自分の声」などが、普段自分が耳で聞いているものとは少し違って聞こえることに驚いた、という経験をしたことがある人も多いはず。聞き慣れているはずの自分の声が録音されたものになると普段と違って聞こえる仕組みについて、「Why is my voice different when I hear a recording?」というムービーが解説してくれています。 Why is my voice different when I hear a recording? - Big Questions - (Ep. 207) - YouTube 「音」というのは空気中の振動です。振動は空気中を伝わるものですが、耳介(Outer Ear)により集められたものが外耳道(Ear Canal)を通ることで増
『数学する身体』は、独立研究者・森田真生氏が「数学とは何か」そして「数学にとって身体とは何か」を自問しながら数学の歴史を追いかけた一冊である。その流れは、アラン・チューリングと岡潔の二人へと辿り着く。 そしてこの森田氏の試みを応援すべく、二人の刺客が客員レビューに名乗りを上げた。一人目は科学哲学を専門とし、同じように身体論へアプローチする下西 風澄さん。彼は本書を「格闘の書」と評す。ちなみに2人目は10月21日に掲載。乞うご期待。(HONZ編集部) 私たちが心を高鳴らせるのは、いつも「はじまりの瞬間」である。 数学という完成された美しい建築物を眺め、そして学ぶとき、私たちはその起源を忘却している。しかし、そこには確かに、不安になるほどの未知と可能性に開かれた「はじまりの瞬間」、そしてそこから走り出す物語があったのだ。 本書は、「数学がはじまる瞬間」、その風景を垣間見せてくれる。それは、生ま
2015年10月14日20:00 日本財団「学習マンガ100選を選んだぞ 子供は読め Tweet 1: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/10/13(火) 09:18:07.46 ID:IHrlTBjc0.net http://www.sankei.com/entertainments/news/151012/ent1510120002-n1.html 日本財団は、子供たちの学習意欲を高めたり、社会問題への興味の入り口になったりする娯楽漫画100作品を選び「これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト~」として発表した。 大和和紀さんが源氏物語をベースに描いた「あさきゆめみし」や、宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」、手塚治虫さんの「アドルフに告ぐ」など、100作品。 一般漫画を“学び”の視点から選定する初の試みで、今後は国内外の図書イベントで紹介するほか、学校図書への普及などを働きかけ
いつまでもヨーロッパの模倣をするということは、甚だ面白からぬことであろうと思いますし、またいかにして日本固有の……少なくとも東洋固有の材料もしくは事業を研究し、発明して起こさなかったならば、本邦の産物を世界に広く売り広めて世界の富を本邦に吸収することは覚束ないと思われるのであります。それゆえに何か新たに有益なる発明研究をしなければならぬと思います。 1913年、100人を超える政治家や財界人たちを前に「国民科学研究所設立について」と題された大演説を行ったのは、酵素研究やアドレナリンの発見などで知られる化学者、高峰譲吉。イギリス、アメリカに留学し、日本と欧米との研究能力の差をよく知っていた高峰は、「国民科学研究所設立」の必要性を切実に感じていた。しかし、高峰がこの演説で要求した2,000万円という金額はあまりに大きく、“日本資本主義の父”渋沢栄一の呼びかにもかかわらず、財界人からの反応は芳し
近代科学の歴史は、「エネルギー」の探究とともにあった。森羅万象、『ヒトも星も宇宙も物理反応と化学反応にもとづく”変化”の所産であり、”変化”を引きおこす実体こそが”エネルギー”』(P7)であった。その「エネルギー」は近代科学の確立の過程でドラスティックに指し示す内容を変えつつ、幅広い概念として成立してきた。 本書では十九世紀末の放射能の発見を画期としつつ、それ以前の熱エネルギー、電気エネルギー研究を通しての古典物理学時代のエネルギーから、放射能と原子核の発見以後の核エネルギー研究を端緒として反物質エネルギーや暗黒エネルギーなどに至る物理学を中心としたエネルギーの科学史の大きな流れを俯瞰しつつ描かれる。 僕のような科学に無知な者でもすらすらと読めるように丁寧かつわかりやすく説明されているだけではなく、様々な科学者の興味深いエピソードを丁寧に掘り下げつつ関連した雑学的話題も豊富で、科学を知るこ
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