カナダの歴史と地形がなせる技 カナダの評判を問えば「救い難いほどに退屈」となる。米国ほど性急でも好戦的でもないため、外部の者からは慎みと寛容、良識の砦だと昔から思われてきた。19世紀の英国人作家チャールズ・ディケンズは1842年に米国を訪れ大いに戸惑ったが、カナダに至ってほっとしたという。ディケンズは、この地は「人心も民間事業も堅実で健全で、そのシステムには興奮や熱狂は全くなかった」と語っている。 現在のカナダも、社会的セーフティーネットは米国より強力であり、銃規制法はより健全だ。今日、自由主義の価値をただ一国で守っているカナダは、まさに勇敢と呼ぶにふさわしい。極論が魅力的に見える時代に、カナダは分別を維持している。 カナダが持つ美徳の多くは、その歴史と地形から生じており、簡単に他国に移転できるものではない。唯一の国境が米国という大きな壁に守られていれば、移民について楽観的になれる。また、