日本における高齢化社会の進行とともに論議される話題の一つに、世代(年齢階層)間の資産格差がある。元々経年蓄積による蓄財があることから、高齢者の方が貯蓄が多いのは当然の話なのだが、現実問題としてどの程度の世代別格差が生じているのだろうか。今回はその指針の一つとして、2023年5月12日付で公開された総務省統計局による家計調査の「貯蓄・負債編」最新版速報値(2022年分)をもとに、二人以上世帯における現状やこの数年における変移を確認していくことにする(【家計調査報告(貯蓄・負債編)-年平均結果速報-(二人以上の世帯)】)。 全体比率で見る世帯数と貯蓄額 今回用いる各値は家計調査の「貯蓄・負債編」の最新版および過去の値を引き継いだもの。なお「貯蓄」とは負債を考慮しない、単なる貯蓄の額。預貯金だけでなく、生保の掛け金、有価証券、社内貯金、さらには共済などの貯蓄の合算。また負債をいくら抱えていても相