いまや国内のみならず,海外からもたくさんの人々が訪れる旭川市旭山動物園。地方の小さな動物園ながら,多くの人を惹きつけてやまないのはなぜなのでしょうか。 その魅力を生み出しているのは,動物の「命」を最大限に輝かせたいという,動物園で働く人々の思いです。できる限りその動物らしい生をまっとうしてほしいと願うその姿勢は,人間と向き合う医療・看護にも通じるものがありそうです。 舞台は初雪の積もった旭山動物園。動物と人間という違いはあれど,同じように繰り返される「生」と「死」を見続けてきたお二人が,そのあり方について,語り合いました。 角田 私は2年ほど前に初めて旭山動物園を訪れて,動物の生き生きとした姿にとても感動しました。お客さんが少なかったころと比べて動物の顔ぶれは変わっていないし,コアラやパンダといったとても珍しい動物がいるわけではないのに,展示方法を変えたことで入園者が10倍以上に増えたとい