米国・ハーバード大学で大人気の哲学講義を持つマイケル・サンデル教授(57)が来日し、25日、東京大学安田講堂(東京・文京区)で、東大生ら約1000人に特別講義を行った。 サンデル教授の専門は政治哲学。ユーモアを交えながら、「正義とは何か」を問う米国での講義は毎回1000人以上が出席する。昨年、米国の放送局が講義を番組化し、日本でもNHK教育が今年4月から放映。教授の著書「これからの『正義』の話をしよう」の邦訳本は今年5月の発売以降、30万部を発行するベストセラーとなっている。 東大での特別講義は休憩を除き、計約3時間にわたって行われた。サンデル教授は、「3人の命を救うために、1人を殺すことは許されるか」など、道徳や正義について考えさせられる事例を次々と提示。 教授が意見を求めると、多数の聴衆から手が挙がり、「より多くの人が助かることが重要だ」「犠牲を強いる権利はだれにもない」など様々な意見