きのうの続きで、労働政策研究会議の感想を書いていきたいと思います。個別報告セッションの3番めは、同志社大学社会学部助教の森山智彦先生による「職歴・ライフコースが貧困リスクに及ぼす影響」でした。 これは2005年と1995年のSSM調査を用いて、学歴、初職、現職に、男性は転職・失業経験、女性は配偶者の階層を加えて、貧困リスクとの関係を階層的重回帰分析で検証したというものです。 結果としては、男性については現職が大企業のホワイトカラーやブルーカラー、中小企業のホワイトカラーといった良好な仕事である場合に貧困リスクが低く、非正規や無職である場合に貧困リスクが高いこと、学歴や初職も関係するが、それは現職を規定することを通じてであること、転職や失業を一度でも経験すると貧困リスクが持続的に高まるなどといったものです。女性については、結婚していることや親と同居していること、学歴が高いことなどが貧困リスク